大ダーナ教団

◆エウロペロ=オヴェル空域は多神教世界であり、また数多くの神々が人々と共に暮らす世界である。その為、種々様々な宗派/教派が存在し、それらが『大ダーナ教団』という、国際的な共済互助団体を結成し、平和共存している。


◆大ダーナ教団は再生歴前一三万年代に自然発生的に生まれ、そして転生者や異邦人達の手による改革と整備化の結果、今日ではエウロペロ・オヴェル空域全土に大きなネットワークを広げる国際組織となり、そして同時に〈契約の騎士〉達を統括する組織にもなっている。


◆教団の名に冠されている神『ダーナ』とは、宇宙開闢の大創造神たる、虹の大神ヨグ=ソトースの化身が一つである、虹の大母神スライヤーナ=カン=ンショロハルキュ=ペペムの娘神で、エウロペロ=オヴェル空域の神々を生み出した神母神たる神である。正式な神名はダーナ=ホ=ムチョンガー=チ=ラララーヴァ。


◆宗教組織ではあるが、様々な教派・宗派の集合体であるが故に政教分離を却って尊重し(何故なら特定の教派・宗派が政治勢力と結託した末に、自ら以外の教団・宗派を弾圧したり、特権を得る為に『抜け駆け』や突出があっては、それが騒乱を生み、社会調和を乱すからである)、『法の下に全ての教派・宗派は管理・支配される物である。そして全ての教派・宗派は和合し、社会秩序を尊び、人々を守り癒やさねばならない』という、万神が人々と共に歩む社会を作り、その関係性を育むという組織指針である。その為、暴力的な傾向があるカルト宗教団体を監視、そして摘発/壊滅させる事も多く、大ダーナ教団は『法の番人』として見られる事が多い。


◆主流派である宗派は大陸/群島ごとに異なる。そしての結果、組織としては一見するとバラバラになっている様に見えなくもない。


◆大ダーナ教団の最高責任者である統括大神官は、歴代、禅僧・無神論者・リベラル系宗派の転生者や異邦人が多いのが特徴。神々と対峙しながら懸命に働いている内に評価され、その結果周囲から推されて止むなく就くケースが多い。


◆神々が時折暴れるたり、互いに喧嘩する時に、人々や周囲に被害が及ばない様に活動する事も、大ダーナ教団が自ら任じている使命の一つである。


◆大ダーナ教団の宗教施設である大ダーナ神殿は飛翔神オショショの加護を受けた、神殿間の瞬間移動を可能とする宝具『高飛びの石輪』を有している。それを使い要人/難民の亡命を助けたり、物資/情報を瞬時にやり取り出来る事から、親展郵便業も営んでいる。また旅行業サービスを行う事も多い。そして法的な事も含めたお悩み相談/それらの解決を行なう機関にもなっている。


◆教団の運営方針は月に一度、神々も交えて議論される。その際は調和神オド=パウパウ=アギスと法理神セルナ=キン=ダスが共同議長として神々を抑え、そして人と神との折衝を担う。


◆しかし各大陸/群島の創造神達は放任主義、豊穣神はすぐに宴会を始め、戦いの神々は互いに仲が致命的に悪い事が多く、すぐに争いを始めようとするので、結果、会議が会議ではなくなる事が多い。その結果、会議の場は調和神オド=パウパウ=アギスと法理神セルナ=キン=ダスが神々を説教したり、しばき倒す場になっている事が長年に渡り常態化している。


◆大ダーナ神殿の神官達は、神との契約によって得た〈神秘術〉(デーウス・アウクトリタス)を用いる事が出来る。これは魔術・魔導の超強力バージョンであり、強大かつ広範囲に影響を及ぼせる物が非常に多いのが特徴である。中には新しい浮遊島を生み出したり、次元構造にに大きく影響を及ぼす事が出来る秘術も存在する。


◆神々は人との間に子を成す事があり、そういう人間は『半神人』(フルイティオネム・アエサティカ)と呼称される。特徴として非常に卓抜した身体能力や特殊な能力、身体から香気を匂わせる事である。その出自故に、大ダーナ教団では神官職を務める事が多く、または図らずも英雄的な生涯を送る者がとても多い。そして神々と婚姻を果たす者、神として昇天を果たす者も数多い。


◆半神人、もしくはその血を継いだ末裔は、神が作りし神聖鉱(ダーナ・マテーリア)で作られた聖戦士纏衣(スペンタ・ヒエロス・アルマ)を身にまとう事が出来る存在『神聖拳士』(ダーナン・エクエース)と呼ばれ、神から与えられた聖戦士纏衣の力と、自らの中にある『内なる神』(オーラン・ダーナ)の力を高める事によって、HRクラスの大いなる騎士や妖精機とも互角に戦う事が出来る。また神聖拳士達はダーナ神殿における、自らの祖である神々の元にある拳士団に所属している事が圧倒的に多く、邪宗門の討伐や国家間の係争を仲介する役割を担う事が多い。


◆また大ダーナ教団は、かつて世界で猛威を振るった魔王・冥王・魔神・破壊神が生み出したり、または身に纏っていた強大な魔力を持つ鎧『天魔鎧』(ペルディティオ・デウス・アルマ)を管理する役割もあり、それらを鎧に選ばれた者に貸与する役割も担っている。


◆天魔鎧に選ばれた戦士は『天魔鎧戦士』(デウス・アルマ・ストラティオティス)と呼ばれ、神聖拳士やHRクラスの大いなる騎士や妖精機とも互角に戦え、『超剣導』(ヒュペル・テクネ)と呼ばれる必殺技を用いる事が出来る。鎧戦士は人界に侵略の手を伸ばす魔王・冥王・魔神・破壊神を征伐する役割を担う事が多く、またはそれらと戦う宿命を背負う事が多い。

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