麗しい文章で紡がれた、儚くて力強い物語です。画面にふっと息を吹きかけたら、その瞬間文字が散り散りになってしまいそうなほど繊細な語り口で、思わず息をひそめて読みました。研ぎ澄まされた文章が、鋭く心に突き刺さります。緩やかに進む物語に、激しく心を揺さぶられます。主人公が『嘘』と呼ぶ言葉を、私は嘘と呼びたくありません。なら他に、どんな言葉がぴったりくるだろう?そうやって、読了後もずっとこの物語と向き合っています。あぁ、読書って楽しい!!