~小さな両片想い~別れ

のノ

短編



告白。私が決心したのは中学生3年生の春のことだった。


その人は頭がよくて、運動ができて、優しい。たまに見せる笑顔は私を包み込んでいるよう。彼に初めて出会ったのは小学校4年生。転校してきた私に話しかけてくれた。

最初はなにも意識してなかった、でも話しているうちに好きになった。好きになってしまった。

私はそんなあなたに伝える。



「圭!さっき雪ちゃんが呼んでたよ!屋上きてだってさ。」

「え、まじか。またあいつなんか仕掛けるてくるな…今度は引っかかるかっ!!」


私はいつも照れくさくて圭くんにイタズラばっかしてた。それが唯一私にできるアピールだった。


私は屋上で待っていた。伝えるために。

何回も何回も家で練習して、やっと言えるようになった言葉。


ガチャ!


彼がゆっくり歩いてくる。心臓がはじけそうだった…

私は改めて覚悟を決めた。


「なんだよこんなところに呼び出して」

私は勇気を振り絞って言葉を出した。


「ず、ずっと…ずっと!!圭のことが好きでした!!」

彼の顔は見なかった、いや、見れなかった。

そして彼が言った言葉


「また~、俺をはめる気か!今度は騙されるか!!」

私は、違う!と言葉をあげようとした。

でも…

「い、いやぁ~!汗さすがに騙されないか!ごめんね!」


「ばーか、そんなんに引っかかる俺じゃねぇよ」


「そ、そだよね!笑」



それから私は圭とは会わなくなった。



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告白。俺がそれをされたのは中学生3年生の春だった。

そいつはバカで運動音痴でイタズラばっかしてくる。そんなバカ…いや、雪とは小学4年生の時に会った。

転校生だったから興味津々に話しかけたのが友達になったキッカケだった。でも話すうちに友達とは思えない、それ以上として意識してしまって話ずらくなって俺から話しかけることはなかったが、その頃からアイツからイタズラとかドッキリとかを仕掛けてくるから、そのノリで話すのが日課になっていた。


「起立!礼!はい、さよなら~」

「さよなら~」


授業が終わり、俺は荷物をまとめて教室をでようとした時に、隣の席の宮崎が思いついたような表情で言ってきた


「圭!さっき雪ちゃんが呼んでたよ!屋上来てだってさ。」


俺は絶対イタズラ仕掛けられると思った。これは確信した!いつもの流れだと多分屋上に行ったらドアの所にロープがなんかが張ってあってこかして、俺をあざ笑ってくるな。


俺は引っかかるかっ!と一言言って、一応屋上に向かった。

もしかしたら…とか考えている自分が、いないとは、いえない。

どこかで期待していた、でもそんなわけ…ないよな。


屋上のドアの前につくと、逆にあいつを脅かしてやろうと音をたててドアを開けた。

足元をちらっと見たが、罠も何もない。

「(他の仕掛けがあるのかな…?)」


引っかからないように、ゆっくり歩きつつ周りを見渡ながら屋上の中心へ向かった。

そこには雪が立っていた。

「(あれ、いつもなら隠れててイタズラに引っかかったあとに出てくるのにな)」


これはやっぱり…と思った。


「なんだよこんなところに呼び出して」

何も知らないフリをして普段、いや4年の時みたいに話しかけた。


雪は最初は黙って下を向いていたが、はっと俺の方を向いてあの言葉が飛び出した


「ずっと…、圭のことが好きでした!!」


さっきまで、もしかしたら…と思っていた事を言われてみると驚きでどうしようもなかった。


俺はごまかすしかなかったんだ。


「ま、また俺をはめる気か!今度は騙されるか!」


この告白は嘘じゃない。それだけは確信できた。あいつの目を見れば誰にでもわかる。


すると雪は。


一瞬目を丸くしたがすぐに戻し


「いやぁ~!さすがに騙されないか!」


と笑いながら言った。


少し残念な気持ちもあった、でもやっぱりそうだよな。という気持ちが大きかった

「ばーか、そんなんに引っかかる俺じゃねぇよ!」

できるだけ明るく言ってみせた。


「そだよね!笑」


苦笑い気味に彼女は言った。


「ごめんね!じゃ、私、帰るね!!ばいばい!圭!また明日ね!」


「おう!また明日な」


俺たちはそこで別れた。













俺は帰って知らされた。











雪が帰ったあとに











飲酒運転の奴の交通事故で雪が巻き込まれて。











死んだって。











「またね!」あの言葉が体に響いた。



「またね…?いつ会うんだよ。」

涙が出た。俺は止めようとした。必死に。必死に。



止まらなかった。止めようとすればするほど涙は止まらなくなる。

















あとから知った。


雪は別れたあと、泣いてたって。

その時に雪の親友の、宮崎に言ってたらしい。


「圭に気持ち伝えれなかった…。大好きってことを言えなかった。」


「まだダメって決まった訳じゃないじゃん!!」

宮崎は励ましたらしい


「だ、だよね!!今日帰りに圭にメール送ってみるよ!ちゃんと言うなら言葉て伝えないといけないけど、やっぱり恥ずかしいからね!汗」


「うん!頑張って!メール!笑」


そこでアイツらは別れたらしい。








俺はメールを確認した。

そこには



















「今日はごめんね!

でもちゃんと伝えたいことがあったんだ!言葉じゃ恥ずかしいからここで言わせてもらうね!汗

本気の方で圭の事がすきです」










そのメールが送られた時間帯があの事故の時間帯だった。











俺は雪にメールを返した。












「ばか、俺もだよ」

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