第2話 謎の少女
休日の私は町をよく散歩している。
今日の目的地は道の駅だ。
市街地から道の駅に行くためには、大きな橋を渡る。
小さな頃は橋を渡る時に体がすくみ恐怖にこわばったものだが、今では橋からの景色を楽しむ余裕もある。
視線を川におとし、川の流れにそって視線を上げていけば、海が広がっている。
そして、気づいた。
道の駅と反対方向、海の方にある公園に佇む一人の少女。
ここらでは見かけない、西洋人風の女の子だった。
私は道の駅の売店で目的を果たし、公園に向かった。
公園に着いたが少女の姿はどこにもない。ここまで来たついでに海をみようとそのまま歩き続けていると、あの少女を見つけた。
少女は、"風と夕日のモニュメント"という、三日月型の建造物に座って海の方を向いていた。
「Hello!」
声をかけると、少女は振り向き、にっこりと笑顔を見せてくれた。
私は少女に微笑み返す。
少女は私の目の前に来ると日本語で挨拶を返してくれた。
「こんにちは」
それは、自然な日本語だった。
私は鞄をあさる。
「よかったら、食べる?」
そう言って差し出した手には鞄から出した飴がいくつか乗っている。
「ありがとう」
飴を1つ手に取った少女はまたモニュメントまで走る。
私は、その姿を目で追っていたが、その先で輝く夕日が見え、まぶしさに目を閉じる。
目を開けると、後ろから目隠しをされてしまった。
「
後ろから聞こえたのは少女の声。
直後、地面がなくなって落ちる感覚に襲われた。
その感覚に私は、小さい頃に橋を渡ろうとして感じた恐怖に似た感覚に陥った。
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