第50話

「ふふ、驚きましたか?」

「・・・」

「・・・ハ、ハルオミ殿?」

「・・・き・・・あ」

「ちょ、決死の覚悟で見せたんですよ?何か」

「ついに来た」

「・・・はい?」

 うつむいてプルプルとしている俺に困惑しているセリス。だが、しょうがないのだ。だって、


「ついに異世界テンプレ!エルフきたああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」


「ひいいいいい!」

 ふはは、なんかセリスが怯えているが関係ないわ!

 ああ、町に着いたときは、人間ばっかりだったから心配だったが、やっぱり異世界、異世界と言ったらエルフ!ドワーフもどきはいたがあんまり似てなかったからな!くううう、いいねえ!

 ちょっと夢になりかけていた『エルフと会う』がまさかこんなとこで達成できるとは・・・やってくれるぜ、異世界!

「なあ、セリス」

「な、なんでしょう・・・」

「一応確認しておきたい、その姿は・・・エルフだよな?」

 そう、セリスの見た目は少し変わっていた。もちろん金髪ポニーテールは変わっていない。しかし、一番変わったところは耳だ。エルフ特有のあの長い耳がある。

「・・・はい。正確に言えば、完全なエルフではありません」

「・・・なんですと?」

 まさか。

「私はエルフの中の上位種ハイエルフと人間との子ども・・・ハーフエルフなんです」

「!!」

 ・・・ハーフエルフだと・・・?!

「ハーフエルフ・・・だと?!」

「はい、すみません。やはり、この姿はあなたにとっても嫌悪する対象ですよね」

「・・・なんだと?」

「え?いや・・・この国は昔エルフに国を潰されそうになったらしく、そのころからエルフは迫害されるように。そして、エルフ狩りが起きたんです」

「ということはエルフは?」

「もうほとんど生きているものはいません。中には奴隷としてかろうじて生きているかもしれませんが」

「よし、滅ぼそう」

「え」

「この国滅ぼそうぜ☆」

「ちょおおおおおお!」

 ん?なんで??異世界の宝を滅ぼそうとしているこの国を滅ぼすのは道理だろ?

 さあて、手始めに城に乗り込むか。

「ちょ、ハルオミ殿?!なぜ、王城に空間魔法を繋げているのですか?!」

「え?手始めに騎士団を壊滅させようと」

「ちょおおおおおおおおおおお!」


 ・・・30分後。


「いやあ、すまんすまん。つい熱くなってしまった」

「ついでにで国を滅ぼそうとしないでくださいよ・・・」

「はっはー」

「・・・シリアスはどこに」

「?シリアス?なにそれおいしいの?」

 あまり重苦しい展開続くと息苦しい。

「はは・・・がっつり戦ってもらうはずが・・・」

「いやあ、最近戦いばっかりだったから。でもな」

「??」


「お前さんがちゃんと戦いたいなら戦うぜ?」

「!!・・・お願いします!!!!」


 さあ、いっちょ戦いますか。

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