第25話


「主様」

「ん、どうした、タウ」

「いえ、なぜこのクエスト受けようと思ったのですか?」

 まーそう思うのも無理はないよな。最初は乗り気じゃなかった俺が急に行くとか言ったし。でも、パルムさん何かありそうとかいう顔で引き攣った顔するのは酷くないか?

「ふふ、そりゃあ、討伐するものが心躍るものだったからさ!」

「あー」

「討伐…エンシェントドラゴンですか?」

「Yes!」

 そうその通り!ビバ!異世界テンプレ、ドラゴンですよ!

 勇者の剣?作るなら勝手にどうぞ?でも、ドラゴンは見ないとかありえないだろ!

「それでクエスト受けたんですね?多数募集とか本当は嫌でしょうに」

「その通り。まーめんどくさいのに絡まれないようにこっそり見届けるようにする」

 バッチリ見れるといいなぁ。

 そんなやりとりをしていると今回の依頼人のいる屋敷、武器を作る工房についた。

 そこには俺ら以外にも何人かの人がいて、開始の合図を待っていた。

「さあ、お前らよく来たな!」

 俺たちを待っていたように工房の2階にはthe鍛治職人という感じのおっさんが響き渡るように声をあげる。

「俺はへファス!今回国王から勇者の剣を作るように命じられた!しかし!勇者に必要な剣がただの剣でいいはずがない!だから、今回は君らにダンジョンに挑んでもらう!」

 なるほど…エンシェントドラゴンはどこかのダンジョン内にいるのか。ダンジョンってなると空間が限られてるからあんまり派手に行動できないな。

「今回のダンジョンはかなり深くまで入る。覚悟のないものは棄権した方がいい!」

 しかし、あのおっさん聖剣制作任されているってことはかなりいいスキル持ちなんだろうな。さすがユリア、今度褒めてやろう。さてと、ならやることは決まったな。鑑定!


 名前:へファス・スミス レベル60

 職業:聖魔剣職人

 力:1200

 器用:10000

 耐久:1300

 敏捷:400

 魔力:12000

 魔耐:5400

 スキル:鑑定 レベル40 鍛治強 レベル99 錬成強 レベル99 魔法[ 炎]レベル35 炎耐性 レベル40 槌術 レベル46 魔剣作成 レベル5 聖剣作成 レベル1


 おお…すげぇ!何がすごいって?まずは職業名だよ!聖魔剣職人とかカッコイイ!しかもスキルも理にかなったものになってる。まず、鑑定持ち。鍛治スキルはただの鍛治じゃない上にスキルほぼカンストだよ。この世界はレベル99超えると一つ上のスキルに変化するらしい。それが強化版で2つ。剣作りするからなのか炎魔法と炎に耐する耐性強いし、槌術とか明らかにハンマー使って戦えますよって感じだ。このおっさん自分で戦っても強いんじゃね?

「ちなみに俺も同行する!」

 ほらな。そして、一番目に入るのは、


 魔剣作成 レベル5

 魔剣を自分魔力の5分の1を使い、作成できる。

 能力はランダム。


 聖剣作成 レベル1

 聖剣を自分の魔力全てを使い、作成できる。


 そりゃあ、国王に任されているわ。

 このクエストクリアしたら俺にも作ってほしい。

 どうにか仲良くなれないかな。


「という訳で、参加するものはまた明日この場所に来い!」


 ザワザワ…


 ん、とりあえず、話し終わったみたいだな。さてと、俺らも帰るか。


 そう思っていた俺は出口に向かおうとしたが、

「あーそこの?べっぴんさん2人連れてる少年、お前らは残ってくれ」

 へファスに何故か呼び止められた。


 …面倒事じゃないといいな。


 で、俺ら以外工房にいなくなってからへファスは一言。


「お前さんが鬼畜ご主人様のロリオミか?」


 …うん、ユリアお前覚えとけよ?


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