異世界の職業集めよう!

甘川 十

第1章

第1話

 俺は天城晴臣18歳。大学に無事に合格し、さあ、新しい春が来たと思っていたのだが。

 入学式当日俺はあっさり車にはねられた。

(あー何でこんな目に…)

 自分の身体が冷たくなるのを感じ、ゆっくり目を閉じていく。

 そして、俺は暗闇の中に深く入っていった。


 だが。

「起きてください」

「え?」

 その暗闇は一瞬にして晴れていった。さっきまでの血まみれな状態でもない。

「まったく…本当にあなたは自分を大切にしないですね」

 そんなことを苦笑いしながら話す声に気がついて顔をあげた俺の目の前には


「綺麗だ」

「ふぁ!?」

 絶世の美女がいた。銀髪銀の目をもつまるで女神のような女性が高そうな椅子に座っていた。

「綺麗なんてそんな…ってそうじゃなくて!女神みたいじゃなくて女神です!」

「…はい?」

「そんな頭大丈夫かこの人みたいな目でみない!私は女神のアストレアです!あなたが死んでしまいそうなのでここに転送しました」

「あ…」

 やはりさっきのは夢とかではなく現実だったのか…

「でも、なんで助けてくれたんだ?」

「えーと、それはですね…」

 焦る女神は可愛いとか変なことは考えてません。ええ絶対に。

 だが次のアストレアの言葉はそんなこと忘れるくらいのものだった。

「…間違えたそうですっ」

「は?」

「神の1人がうっかりしていたそうで…」

 あーなんというかこれだけは行っておきたい。

「なんじゃそりゃァ!!」

「すみませんすみません!」

 (ふざけんな、なにか、じゃあ、俺があんなに痛い思いしたのは、ただの手違い、そんで死にました?なんだそれ!)

「はい、そのとおりです」

「さらっと心読まないでくれるかな!?」

「すみませんすみません!!」

 心の中でそう考えている俺が半ギレしている中必死に頭を下げている女神様。なんかそんな姿をみていたらなんかどうでも良くなってきた。でも、

「そういえば、あの子はどうなったの?」

「え?」

ひとつ気になっていたことがあった。それは、車にひかれる原因になったあの少女。人に押されてこけて、道路に出てしまったがゆえに避ける暇もなく動けていなかった。俺はその子を引っ張って道に戻したが、車がその後何処に向かって進んでいったか知らなかった。

「事故に巻き込まれたあの子」

「え、あ、あの子ですか、無事ですよ」

「ならよかった。で、このあと俺はどうなるの」

「急に落ち着きましたね」

「あの子が俺のせいで巻き込まれなっただけでも上々だよ」

「・・・いい人ですね。お人好しです」

「うるさい」

「本当にあなたはお人好しです。昔からそんな感じでしたよね。だからこそ、ここに呼んだんですけどね」

「え?」

昔から?この女神はずっと俺のことを見てきたのか?なんで?

そんな俺の考えを打ち消すようにアストレアは口を開いた。



「あなたには異世界に転生してもらいます」



まあ、まず俺が思ったことはひとつ。


テンプレだな!


と。


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