分からなくなる夜明け
どこまでもどこまでも。
俺と言う少年は叫んだり心を晒したりしながら、年をとっていくんだと思っていた。
深夜三時に目が醒めた。
最近ずっと、毎日そうだ。
起きた瞬間にはもう覚醒しきった頭で、日中やれなかったスマホゲームをする。
つまらなくて苦痛だ。
寝れない事も、こんな作業も。
どうせ寝れないので淹れたブラックコーヒーは、毎日飲んでいるからもう味がしない。
朝早くだから空けた窓のカーテンは、まだ濃い闇に浸されている。
どうしてだろう?
なんで、何もかもが、満たされないのだろう?
自分が、朝の垂らしたミルクのように渦巻くセンチメンタルな感情を制御できなくて、振り返る事がある。
俺は、もしかして他の人とはどっか違うのかな、とか。
恋人と、ふざけ合ってたい。友だちと、笑ってたい。兄貴の子どもを、猫っ可愛がりしたい。
でも、世界は男と女で、あの吐き気のする行為に結局は帰結していくようで、どこで自分のベクトル狂ったのかなって思う。
今の若い子の一部が、調子こいてて、誰とでも抱けて寝て、そうじゃない大人も、結局獣みたいで。
誰かの笑顔が好きだった、友だちの想いに応えたかった、クラスで肩組んでるような、あの一体感が好きだった。
世界は、なんで、汚れていくの?
愛し合って、想いを言葉じゃ伝えきれなくて、だから結ぶ体の行為って、今も思っている。
気持ちいいのは好きだよ。愛した人を抱けるのは嬉しいよ。
でもなんで、いつの間にかそれが生活の中心になってんの?
カノジョと飯食ったら、数回に一回は家に泊まる。
抱いて抱かれて、ラストスパートで、俺は俺じゃない誰かになってる。
愛しさも重ねた物も吹き飛んでて、ただの生物だ。
人間って、そうじゃないと思ってた。
きっと若い頃に見た青春の眩しさが忘れられなくて、幻想を、抱いていた。
ハロー、ワールド。
世界は今日も獣です。
愛して愛されるって何だっけ?
愛しいのは身体ですか?
愛しいのは精神ですか?
それとも、むさぼりたいだけですか?
滅ぼして神さま、こんな生物。
そう思って一日が始まる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます