74.Sな彼女とドSな彼

「何があかんねん」




迷いの原因はわかるけど。




「何がって……。その、気持ちが百%向いてないのにいいのかなぁって」




元カレふなっきーはもうええやろ。




「両思いなってから付き合いましょう!ってお前は中二か、あほ」




付き合ってみな分からんことやって


死ぬほどいっぱいあるやろ。




「あほって言われても……」




サヤカが口を尖らせる。




「ゴチャゴチャ言うなって言うたやろ? 俺が百%惚れさしたるわ」




任しとけ。




「その自信は何ですか……」




俺が童貞君に負けるわけない。




あんな事やこんな事も



今サヤカを思う気持ちも。






花火はクライマックスを迎えた。




空が白く輝く。




爆音が鳴り響いている。





誘われるようにサヤカが空を見上げた。





明るく照らし出された耳元で囁く。





「好きやで、サーヤ。俺と付き合って」





ドンッ、ドォン、ドドンッーーー





絶え間なく花火があがり続け



周りから歓声が上がる。





耳まで赤くなったサヤカが可愛くて



ニヤけそうになる。




「損はさせへんから"はい"て言うとけ」




はいって言うまで帰さへんけど。





俺のホントウは今ここにあるから。





サヤカが静かに答えた。





「……はい」





ええ子やな。




ここでご褒美あげたいくらい。





花火が終わって辺りが暗くなると



拍手喝采が沸き起こった。





熱を帯びたサヤカの肩に手を回して



もう一度キスをした。






長めにしといたのはサービスな。










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