44.Sな彼女とドSな彼

金曜日にはサヤカをクラブに誘った。



「西川さんって遊び人ですか?」




不信の眼差しを向けられる。




「あほか。俺みたいな好青年のどこが遊び人やねん」




特定の彼女がおらん時の


女遊びは不問ということで。




「だってクラブとか行くのは遊んでる人だけじゃないすか」




あんなに楽しんではしゃぎまくってた


スポーツバーとかダーツバーと


何が違うって言うねん。



んー、ちょっと違うか。



いやいや


飲むだけの目的なら似たようなもん?




とにかくクラブに行ってるからって


遊び人とは失礼やな。




「思い込みやろ(笑)。俺はこの会社入る前は個人で仕事受けとったからなあ。接待したりされたりが多かっただけ。この業界は若者が多いしな」




好きでも嫌いでも付き合いで


行かなければいけない場所は沢山ある。




サヤカが驚いた様子で


真面目に聞いた。




「何で今の会社に?」




面接?




まあええけど。




「コンピュータの技術は日々進歩やろ? ここの会社は小さい割には大きい仕事やれるし、人脈も作れて勉強になるやん。給料は安いけど、お金もろて修行してるだけ。数年後にはまた独立するつもり」




なるべく早くしたいと思ってたけど。




「西川さん……」




「ん?」




「意外としっかりしてるんですね」




「……とことん失礼やな(汗)」





サヤカが「私も頑張らないと」と呟く。





しっかり頑張れ。




自分の生き方は自分で決めろ。




結婚や男だけが全てちゃうんやから。









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