7.Sな彼女とドSな彼

人前に出るのが仕事の営業部と違って


裏方で黙々と仕事をこなすシステム部は


"いかにも"な男ばっかり。




地味で大人しくて


年齢層が若い割に活気がない。




そんな空気の中で



(よう喋るやっちゃなー……)



普通の神経なら私語はためらうやろ。





始業時間ギリギリに来て


隣の席に座ったサヤカは軽く挨拶して


嬉しそうにコンビニの袋を見せる。



「西川さん、新商品のチョコ買って来たんです。食べません?」



しかも食い物の話が多い。



「ええわ。俺あんまチョコ好きちゃうし」



痩せたいと言う割に食い過ぎやねん(笑)。



「ええ〜? いっつも引き出しにM×Mチョコ入ってますよね?!」



「あ、あー……」




M×Mのチョコレートは


実結がいつも食べていた。


俺はマーメルチョコ派やって言ったら


キレられた。



『間宮実結のイニシャルはMMで西川紀樹のイニシャルはNNなんだから、M×Mを食べるべき』



無茶な実結論でM×M派にさせられた。



それ以来


糖分補給にM×Mを食べている。




「脳の活性化にチョコが必要やからな」



「脳の事を考えたらアーモンドチョコがいいって言いますよ」



「そうなん? アーモンドって何かあるん?」



「さあ?」



「知らんのかい! もうええわ。働け」



「怒らないで下さいよ〜」



サヤカは笑いながら


バンバンと紀樹の背中を叩く。



「痛ったいわ、あほ!」



「そんな強く叩いてませんよ〜」



全くああ言えばこう言う……!



「あのなぁ……」



「あ! 山田くん、おはようございます。新商品のチョコ食べない?」



人の話を最後まで聞かない上に


まるでシステム部のオカンのように


すっかり皆に馴染んでる……。




驚いたのは馴染む早さだけじゃない。




「岸谷さん、来週好きな子の誕生日なんです。プレゼントは何がいいですかね?」



山田から恋愛相談を受けるくらいに


信頼を寄せられてる事に驚いた。



「ん〜、まだ付き合ってない相手ならお花とか喜ばれるかもね」



見かけによらず乙女な回答にも驚く。



「わかりました。頑張ります!」



山田の口から恋バナが出たことに


一番驚いたけど。





お花……なあ。




そろそろ実結姫様のご機嫌の悪さも


どうにかせな、な。











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