第2話

天使たちが暮らす天上界。

その片隅にある古くからある建物。

セレン修道院。とても戒律が厳しく神に対し感謝を捧げ祈りの毎日を送る慎ましい修道院。


外の世界とはまるで違った限られた世界。

厳重な塀に囲まれた修道院。


建物からは似合わない騒々しい声が聞こえる。


とても明るく心の中に差し込んでくるような声

「なんで起こしてくれなかったの?また寝坊してしまったじゃない!」


ドタバタと着替えをするその少女はまっすぐストレートな青い髪にサファイヤのような瞳、無邪気な少女だった。

「何度も起こしたけど起きなかったのはセシリアあなたでしょ?」

少女より少し大人びた彼女がそう言うと、セシリアは手荷物を用意しながら少し甘えた感じで彼女に

「冷たいなぁリリアは」

リリアは柔らかくカールされたブロンズの髪、イエローの優しい瞳で、セシリアに早く早くをした。


毎朝の礼拝に遅刻しそうになっているセシリアは修道院の廊下を勢いよく走っていく。

「待ってセシリア!走るとまたこけるわよ!」

リリアの言葉にも反応せず走る。


白い外壁にステンドグラスが施されたとてもきれいな礼拝堂に美しい賛美歌が流れ 凛とした空気を創り上がっている。彼女たちがこそこそっと後ろのほうに忍並んだ。 祭壇の前にいたシスターがこちらをチラリと見る。目があったときセシリアはペロリと舌を出し頭をちょこっと下げた。シスターはいつもの事かと呆れていた。

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