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「あーもう納得いかない」
むーっとジト目のユキを横目にトラ柄のリョータはまあまあと左前脚をあげた。
「タマの言葉が正しかったら人が多いだろうし、仮に外れたとしても一丁目は隠れる場所が多いから動きやすいだろ?ここは納得いかなくても理解してよ」
「分かってるわよ!だから納得がいかないの」
ふわふわの長毛を風に靡かせながら、ユキはリョータの頭を思い切り猫パンチした。
完全なる八つ当たりである。
しかし、よくあることなのかリョータが優しいのか仕方ないなと猫パンチされた場所の毛繕いをする為に立ち止まった。
「本当に素直じゃないねー」
「うるっさいわよ」
シャーっと毛を逆立てるとユキは置いていくわよと塀の上を走りだした。
「はいはい。お待ちください」
やれやれと毛繕いを終えたリョータは自分よりも年上なユキを追いかけるべく、同じように塀の上を走りだした。
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