episode 1-2
ガタッ
「おつかれー」
「お、おつかれ。」
「……。」
誰だ……この人……
勝西さんが話している人。
仲いいのか?知り合い?
なんか……いかつい……怖っ
「例の新人?」
「そうそう!天野ちゃん!」
「へー。」
「……。」
なんなのこの人。見んなよ。
例のってなんだよ。
休憩の終わりを告げるチャイムが鳴る。
「ほんじゃなぁ、竹下ぁ。」
「……お疲れ様です」
「うーい。」
「勝西さん、さっきの……」
「ん?あぁ、竹下!あたしの一個下だから
天野ちゃんの一つ上、23だね!」
「はぁ……。」
「大丈夫大丈夫!あいつ別に怖くないから!」
竹下。いかつい人。
よし、脳内インプット完了
頭で脳内整理をしていると
勝西さんのほうから、カエルが潰れたような
げぇッ。という呻きが聞こえた。
「あれ?勝西ちゃん今休憩終わり?
ちょっと遅くない?」
「いやいや、これくらいですよ!」
「そう?あ、天野ちゃんも気をつけてね!
休憩時間!」
「あ、はい。」
姑のような小言をいってきたのは
私たちの職場のリーダー。
大して嫌そうに見えないのけれと、勝西さんはそうではないらしい。
現に今も眉間にしわを寄せて横目でにらみをきかせている。
「自分たちの方が休憩なげーだろっつの。
どんだけとってんだよ。リーダーのくせに」
ブチブチとひとりで言ったかと思えば
な!そう思うよな!といきなり話しかけられ、私の体がビクッと猫のようにひとはねした。
作業着に着替え、午後も私の憂鬱が始まる。
なれるまでの我慢とはいえ、
入ってまもない職場での仕事はやっぱり辛いものがあった。
そうは言っても、次から次へと職場を変えたところで
このもやもやはつきまとってくるだろうし
その分体力も使う。
今だけ今だけ……
同じ班には勝西さんもいるし……
そう自分に言い聞かせて
私は、作業に取り掛かった。
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