17.06.15

先月夜道での事、自転車に乗って信号を待っていたら少し

離れたところで鳥が暴れていた。何事かと思ったら大きい蛾が

近くに舞っていて、それを捕食しようとしていたのだ。


わずか5秒にも満たない間に鳥と蛾の空中戦が繰り広げられた。

そのダイナミックさは思わず見とれてしまうほどで、信号を

1回分渡り過ごしても見る価値があった。鳥のくちばしから

必死に逃げる蛾だが、鳥の自由自在な飛行能力に屈して、

空中でくちばしに挟まれてしまった。


なぜこのことを思い出したのかというと、一昨日川原の土手を

やはり自転車で走行中、鴨が川の中で暴れていた。何事かと

自転車を停めてみたら、薄汚れた灰色の、犬とも狸とも見える

野生動物が草むらから鴨を狙っていたのだ。


鴨は威嚇のため暴れていたようだが、動物は草むらから飛び出して

鴨に襲いかかった。体格差を見れば鴨が不利のように見えたが、

翼を広げて威嚇とかわしを繰り返し、やがて動物は諦めたのか

再び草むらに戻って行った。


動物が逃げる直前から動画を撮っていたのだが、明確にこれが何の

動物かはわからなかった。帰宅後家族に見せるとおそらく狸では

ないかとの意見でおおよそ収束した。


冬場にもこもこの狸を近隣で見たことはあるが、夏場の昼間に

現れるとは思いもしなかった。狸がいること自体、正直凄いなと

思う。自然が残るとはいえ、住宅地の中の川であるし。


その後、テレビ番組で見た狸に似ていると言われたので調べたところ、

確かに私が見た姿にそっくりだった。特に細い尻尾などはそのまんま。

また、疥癬という症状の狸にも似ていることが判明した。

ひょっとしたら、相当弱っていた狸だったのかもしれない。

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