ショッピングモールの家具屋にマッサージチェアが並んで

いたのだが、その動きがあまりにも不気味だったので思わず

通路を一本引っ込んでしまった。

座椅子やソファ型のチェアが５脚、通路に向けて並んでいた。

実演とお試しを兼ねてのレイアウトなのだろうが、生地越しの

マッサージ機部分の動きが非常にうねうねくねくねしていて、

また動きがやけにスピード感に溢れていたので、それはもう

この世の物とは思いたくないような代物であった。

生地越しのせいか、なめらかさまで加わっていた。

あんな椅子に座ったが最後、脳を針でいじくられるような感覚

になること間違いなしである。

規則的ではあるがリズムが合ってない５脚の椅子が生み出す

軟体生物のような動きは、蛸や烏賊が不気味だと忌み嫌う気持ちを

少しだけ理解させてくれた、ような気がする。

ラヴクラフトが生きていたらぜひ見せてみたい。

新しいクリーチャーを１匹や２匹、生み出してくれそうだ。

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