16.11.20
落ち葉の季節である。
街路樹の落ち葉が積り始め、飛ばされた葉が玄関やベランダに辿り着く。
渇ききった葉が風に引きずられ、路地のコンクリートを擦る音は、
冬の前触れというか、季節が過ぎていく寂しい音だなと感じる。
休日の外が少しずつ静かになってきた。
寒いと出歩く人が減るのか、自転車のブレーキ音がここぞとばかりに
響き渡っても、振り向く人の姿すらない。
学校がない休日は、公園の遊具も時が止まったように微動だにせず、
根本は風に運ばれた落ち葉の拠りどころになっている。
たまにそういう場所でひとりベンチに座っている人などを見るが、
場所の空気に飲み込まれるようにやはり静かである。
遅めの昼食を買いに30分ほど往復で歩いたのだが、数日振りに20度近い
気温になったにも関わらず、休日の午後は静かであった。
通りを1、2本行けば交通量の多い道路に簡単に出るのだが、
それがまた文明が集中し、はずれた地域がゆっくりと衰退していくような
雰囲気を醸し出し、歩いてるこちらも飲み込まれそうになる。
手に提げた昼食をどこかの公園で食べて帰ろうかと思ったが、
座ったら最後立ち上がれなさそうな気持になったので、
落ち葉をぱりぱり踏みながら家路を急いだ。
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