16.10.15

友人が転居した。

詳しくは聞いていないが、おそらく同居のためだろう。


私ももう少しでこちらへ来て1ヶ月が経つ。

生活にも慣れたし、それなりの楽しみもできた。


しかし圧倒的にここは静かすぎる。

実家にずっといたら、1人暮らしがこんなにも静かで、

軽自動車のエンジン音すら反響するようなものだとは、

ずっとわからないままだったのだと思う。


自宅に喋る相手がいる生活を送る人間は、人口のうちどれぐらいだろうか。

通信は確かに進歩している。でもその進歩は必ずしも音のおしゃべり用ではない。

読書から離れた分、日常を文章に置き換えることが増えたのだろう。

言葉は決して廃れてはいない。


それでもやはり、声を伴うおしゃべりがないと寂しいと感じる。

文章でどれだけ優しく励まされても、たったひとこと、

「おつかれさま」

と言って貰えるだけで、それでいい。


それでいいとは言ったものの、それはとても贅沢なことなのだ。

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