16.10.13

 夏の終わり頃からアメリカでピエロが相次いで出没しているらしい。実害も少なからず出ているらしく、すでに笑い話の域では済まされない模様だ。

 日本人でも確かに不気味とは感じるだろうが、そこまでの拒絶反応は示さないだろう。どうやらアメリカではそこまでの一線を軽々と超えるようだ。


 ハロウィンが近いせいもあってSNSでも盛り上がりを見せているそうだ。夏の終わりからハロウィンが待ち遠しかったなんて、随分と気の早いピエロたちだ。


 ピエロといえば、やはりスティーブン・キングの「IT」が思い浮かぶ。確か中学生の頃だったと思うが、NHKの深夜放送でちらっと映画版を見たことがある。確かにあのピエロは不気味だった。話がよくわからないのはそれ以上に不気味だった。

 同じフィクションでも、ジョーカーはあまりピエロという雰囲気を感じない。やはりピエロは衣装も気持ち悪いぐらい明るくないと、それらしさが薄れるような気がする。

 ただし、ジョーカーは括りとしてはピエロでなく道化として見なければならない気もする。


 ピエロがなぜ不気味なのか。それは化粧と仮装によって本来あるものが隠されているからではないかと思う。ずっと笑顔の人間はやはり不気味だし、周囲からただ笑われる役というのも不自然なものだ。ピエロはそういった極端な誇張が持つ不安定さゆえに、不気味なものとしての側面が強くなっていったのではないだろうか。

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