鏡、カイロ、かみそり
女性用シェーバーのポップな色彩と形が好きになれず、かみそりは男物と決めております。洗面所は朝の青い光に満ちていますが、あえてブラインドを下ろして蛍光灯を点けます。この方が顔の明るさに左右差が出ないのです。陰になると、どうしても仕上がりに不安がありますから。洗顔の後、化粧水やら保湿剤やらを説明書通りに塗り込み、下地からファンデーションと手慣れた工程をたどります。なるべく自然にありたいものですから、頬紅はひかえめに、アイシャドウはブラウン系を。眉は元々濃いので軽く整えて眉墨をのせるくらい。まつ毛もあまりばさばさしたくはありませんし、ビューラーで上げるのみと致します。えぇ、毛が豊かなのも善し悪しですね。この場合は楽なのですが、いらない毛というものも多くございます。あらかじめ使い捨てカイロで温めておくのは知人に聞いた知恵です。髪の毛用のホットカーラーと同じことでございます。さぁ鏡の中の私がお仕事らしくかしこまって微笑み返せば、朝の儀式は終了です。では、行ってまいります。
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