アボガド、読書、郵便局

「アボカドって昔アボガドって呼ばれてなかったっけ」

「さぁ」

 読書に没頭している兄は常に生返事なので、時折変な話を振りたくなる。

「あの世に手紙を届けられる郵便局があるって知ってるか」

「さてね」

「俺さ、親父に手紙書きたいんだ。話がホントなら」

 髪にふれられて振り向く。

「何すんだ」

「さぁ?」

 がしがしと頭を撫でられれば、その声にはちゃんと気が入っていることがわかる。

「そーいや親父はずっとアボガドって呼んでたな。訂正してみても聞きやしなくて」

「なんだ、最初から聞いてたのかよ」

「どうだか」

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