第10話「混乱の原因」
「何で混乱すると思うわけ?メンツはどうにでもなるけどわよね」
そんな頌子を忍は一喝する。
「でも、ネオナチスの動きを予測してボクを派遣したとなればどうなる?」
「初めからこの学園を前哨基地にする予定だったと思われるかもしれない、ね」
「ここは広島だから東京からは遠い。しかも、ここには造船所もある」
「呉には大和の模型が展示されているあれがあるくらいだしね」
「さすがに今のご時世で大和を作り直すようなことはできない」
「戦艦の時代は日本軍の爆撃機が終わらせてしまったからね」
そういう頌子に忍はいう。
「皮肉な物だね」
「というと?」
「飛行機を使った緒戦の優位が、結果的には自分たちの首を絞めたなんて」
「日本軍の戦争の是非は置いとくとしてもそれは皮肉に違いないわね」
「あんまり太平洋戦争を正当化すると左巻きの人がうるさいしね」
そんな忍に理香子は突っ込む。
「なんであなたは版権とは別の方向でヤバいネタを持ってくるのかしら」
だが、忍ははぐらかすのを兼ねて話題を戻した。
「話題を戻すが、ともかく自分たちを前線に立たせるつもりだと思われるのは」
「元々そのための学校がここよ。それって今更じゃない?」
「頌子のいうことももっともだけど、もっと対策が取れたといわれかねないよ」
「まあ、あなた一人向かわせるなんてさすがにどうかしているわね」
「お姉さんと戦ったのは今のところ君だけだからね」
理香子は自分から離れようとしなかったし、
ということを忍は言外にいった。
「まあ、マジカルロッドが無かったころの魔法少女だしね」
「それもあるかもしれないが、あなた達は一介の民間人だったわけだからね」
クローン大戦で戦果を挙げたから政府の機関に入れ、ではさすがに乱暴だ。
その上、まだ中学生にもならなかったので児童労働になってしまう。
魔法少女を養成しいざという時戦力として使うという目的で作られた、
中保台学園でさえ教育機関という体裁を取っているわけだし。
グレーゾーンだが今はクローン大戦で日本以外がボロボロになっている。
もし日本が占領されてしまえば、
もはや世界は日本を占領した何者かの物となってしまう状態だ。
なので国防のためにも法律の抜け穴を必死で探すほかないのだ。
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