うしろ姿

ワンコたちとの散歩は長ければ5時間にも及ぶ。ドイツではそれを虐待というらしいが、私はワンコたちに行く先は任せているだけ。

コンビニエンスストアに立ち寄り、私はビール、彼らはおやつ。休日は急ぐこともなくふらふらと歩き、公園で休憩を繰り返す。

「ここは知らない道だね」

「いいお家だねー」

理解できようができまいが、常に話をする。


同じ道を引き返すのは嫌いで、遠回りでもいいから違う道を進む。私は方向音痴、彼らに従うも、果たして野生のGPSは自宅を基準点として作動しているのかと疑う。

軽やかにちょこまか歩くパピヨンと腰をフリフリのしのし歩くゴールデンレトリバーの背中に愛おしさと感謝を感じる。


暑くても寒くても、朝早くからご夫婦で歩かれている姿をよく見かける。歳の頃は70代が多いのかな。

圧倒的に男性のうしろ姿がくたびれている。腰まわりの無駄な脂肪のせいか丸い背中、歩き方もガニ股。

女性は背筋も伸びていてスマート。

きっとどのご夫婦も奥様から誘われて旦那様が一緒に歩き始めたのだろう。

横に並んで歩くご夫婦、前後で歩くご夫婦。それぞれの歩き方。それぞれの夫婦関係。


ところが、もう少し歳を重ねると同じようなうしろ姿になるから不思議。

会話も少なくなるけれど、横に並んで歩くようになるみたいです。

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