有ることが難しい話

テレビは何故、映る?

車は何故、走る?


蛇口をひねれば水が出る。

暗くなったら電気を点ける。

コーヒーが飲みたいから湯を沸かす。

耳が寂しいから音楽を聴く。

お腹が空いたから食べる。


飲食店は年中無休。

コンビニエンスストアは24時間年中無休。

大晦日の深夜にバスが走っている。

正月なのに電車が走ってる。


誰かが考えて

誰かが作って

誰かが動かして

誰もが働いている。


独りでは生きられないという意味ではない。

ここにあるもの。

手を伸ばせば触れるもの。

当たり前のように繰り返されるから日常である。

その当たり前の繰り返しは誰のためでもない。


青く澄んだ秋空。

優しい陽射しが網膜に煌めく。

ゴールデンレトリバーがときどき足元から表情を伺う顔が愛おしい。


この麗しい時間を感じることができたなら。

それを幸せという。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る