川
二週間ぐらい前だっただろうか。
本屋さんで職場体験で来た中学生が書いたポップを見つけた。
その中で気になったのが『紀ノ川』。
『紀ノ川』の作者は、和歌山県出身の有吉佐和子さん。
なぜ『紀ノ川』が気になったのか。
それは、ポップを書いた子に感想を聞いてみたくなったから。
時は高校二年生だったにさかのぼる。
選択授業があり、国語を選んだ。
その授業は図書館にいって本を読み、発表するといった内容のものだった。
和歌山県出身の作家の本を一冊選んでグループで発表しなさい。
先生にそう言われて、私のグループは『紀ノ川』を読むことにした。
一冊を四つに分けて、それぞれ担当の箇所について感想を書いてくる。
自分の担当箇所以外も読むように。
そう決めて、読み始めた。
しかし、読んでも読んでも進まない。
いつもは一冊三時間ほどで読み終えるのに、一時間で30ページ……。
やっとのことで読み終えても、よく分からず三回ほど読み返した。
発表は無事にできたけれど、私にとっては苦い思い出。
あんなに本を読むのに苦労したのは初めてのことだった。
他の方はスラスラと読めるのかな?
私には合わなかっただけなのだろうか……。
難しいと思った。
いま読んだら、どう思うのだろう。
このことを思い出して、中学生で読んだという子に聞いてみたくなった。
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