この問題の分からないところが分からない
美梨
第1話 2600年に起こった人間社会の崩落
「さあ。皆、こっちにおいで。面白いお話をしてあげよう。」
昔々、と言っても貴方達にとってはずっと未来の話。あるところにとても平凡な18歳の男の子がおった。彼の名前は稲瀬誠。
その世界ではロボット達が中心だった為、彼は一日中ゴロゴロとしていた。様々なことに使われるお金は全て国が負担してくれる。というより、今とは国のあり方が変わっていたのだ。
貴方達の時代、物が貴方のところに来るまでには沢山の人々を経由する。その人達はお給料を貰わないと生活してはゆけないだろう。
ところが、2600年の今、第6次産業と呼ばれるロボット産業が発達してからロボットがロボットを開発するようになり、人間達の出番はこれっぽっちも無くなったのである。
物を経由する人々は全てロボットへと差し替えられ、やがて経営さえもロボット達の手に移り変わる事となった。ミスもなく、給料も要求しない「完璧」なロボット達によって。
全てをロボット達に任せた人間はやがて「お金」をそのまま無くした。ロボット達はお金を必要としないので、誰かに給料を払うという概念自体が消え失せたからである。
さて、話を戻そう。
2600年8月15日10時23分24秒
この時間は貴方達の子孫の子孫の子孫の子孫の子孫の…子孫の子孫あたりの歴史の授業で出るので、しっかりと覚えておくこと。
さて、この時間に何が起きたのか。
世の中の人間達が思い思いに好きなことをしていたその時間。
そして、我らが稲瀬誠もネットサーフィンしていたその時間。
世の中の全ての人間達が突如として
消え失せた。
この問題の分からないところが分からない 美梨 @user1011
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