SE代田くんの日常
豆崎豆太
プロローグ
俺の尊敬する大学の先輩は言いました。理不尽を言ってくる上司や顧客は可愛いツンデレ彼女だと思い込めと。なるほど名案です先輩。
弊社には最年少であり数年のうちにアラサーを拝命することになる二十六歳俺の他にはハゲでもデブでもよりどりみどり多種多様のおっさんしかいないわけだが、これがすべて可愛い女の子だと思えばいい。つまり、会社は俺のハーレムだ。
人物紹介。
代表取締役社長、鐘田さん。尊大わがまま系低身長ロリっ子。言うことは滅茶苦茶だが褒めるときは褒める。可愛い女の子だと思えば理想の上司のような気がしてこないでもない。ちなみに俺の雇用契約書はこのロリっ子が汚い字で書いた直筆のものだった。可愛い女の子だと思えば許せる気がしてこないでもない。単芝生やしても社判を捺せば正式な書類になるらしい。
取締役兼CTOの松山さん。おっとり系巨乳ボブカットお姉さま。CTOのTはチョコレートのTとおっしゃる天然キャラ。その名に恥じず常に何かしら食っている。ちなみに巨乳だけは事実だ。間違ってもラッキースケベなど望んではいないが。っていうかアンラッキーだそれは。
取締役兼営業の中村さん。ツリ目ツインテ長身美女。FPのFをフィジカルのFとおっしゃる天然キャラ。ただし松山さんと違ってこっちの天然は安易に触れると危険だ。入社時期は俺より後、その上普段は東京の関連会社に出向している人なので、まだ一緒に仕事をしたことはない。
そして俺。一昨年の末に勤めていた会社が無くなり、源泉徴収票も無しに自主退職扱いで放り出されたところを予てより知り合いだった鐘田さんに拾われて現在に至る。
以上。
地方都市の隅、別の会社が入ってるフロアの端をパーテーションで区切って使っている弊社は取締役三人と社員俺の総勢四人で回っている。正社員の身分でありながら折りたたみ長机とパイプ椅子を使っている所以である。
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