kill survival -笑わない青年と笑う少女-

じんむ

side:weasel

第1話 ある日の記憶

おおよそ、少女の顔は死を目前とした者の顔では無かった。刃を突きつきつけてもなおこちらに向いているのは、微笑み。


――何故、お前は笑う?


分からなかった。理解できなかった。死が迫っているのに何故そんなに穏やかに笑い続けられるのか。だから俺は問いかけた。

しかし返って来た答えは、


――分からない。


なんとも曖昧で、でも俺は自らの刀を振り下ろす気にはなれなかった。

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