第2話

旦那はいつの間にか、職場でいじめに合うようになっていた。

私は、毎日、話を聞いてあげるしかできなかった。

腕が痛い、とか、胃が痛い、とか、不調を訴え出し、その度に病院へ行くも、異常がなかった。

「うつ病じゃないの?」私は心配していた。

「俺をうつ病呼ばわりするのか?」

沢山非難されたが、聞いてあげるしかできなかった。

ある日、社長と喧嘩をした、と電話が入った。

「そんなに辛いのに、もう我慢しないでいいよ、あなたの好きにしていいよ。」 

すぐ辞めてきた。 よっぽど辛かったんだね。よく耐えたね。

支えていてよかった、見守るしかできなかったけど、心配しているのに、八つ当たりは辛かったな。


ある日、夫婦で禁煙しようという話になった。

禁煙出来なかったら離婚!と冗談混じりで約束した。

旦那は煙草に代わる、他の捌け口を見つけたようだった。

私は、何もかも嫌になった。

体はここにあるのはわかるのに、自分じゃない。

守るべき家族がいるのに、死んじゃいけないのはわかるのに、死にたい。

ずっと涙が出る。

心療内科にしばらく通った。

今思えば、いわゆる禁煙うつ、ってやつだった。

どんどん自分じゃなくなっていった。

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