君を知りたくて

土呂

第1話 静かな時間

「おっはよーかつやくん。ちょっと待っててもうすぐで支度できるから」

「さっさとしろよー」

俺は今朝のいつも通り幼馴染の西沢伊波の家の前で

彼女の支度を待っていた。


俺はいつも自分の家からはやく出て、学校から反対方向の西沢の家に行き

だいたい15分ぐらいいつも待たされて、そして2人で他愛のないことを

語りながら学校に行く。


俺たちはずっとそうやっていつもの平和な日常を送っているが

だからと言って何も無いわけではない。

二股疑惑が起きたり、テーマパークに遊びに行ったり、

時には仲間同士で助け合い、そして笑いあう。


そりゃ時には人生だから色んな物事は起こるんだ。

でも、そんな日々の中の小さな喜びや楽しみが

俺の心を穏やかなものにしてくれる。

だから毎日が楽しいんだ。


そして変わったのはそれだけでもない。

これらの出来事の中で俺と西沢はお互いの存在の大切さを知り

俺たちは友達というより1人の大切な人として

お互いを認識し始めたんだ。


確かにまだお互い好きかどうかなんて口にしてない。

でも俺たちがこうしてお互いを認識した時から

俺たちはずっと一緒にいたいと思ったんだ。

だからその日々の過程を通じてお互いの気持ちを再認識すればいい。

俺が西沢への想いを伝えるのはその一時を充分に共有して

その時がきたら伝えようと思った。その気持ちを。


そう、この物語は俺たちの平和な日常を守るための物語。

当然その平和が脅かされる出来事があっても乗り越えてみせる。

そう思ってた。


だがその出来事は俺の想像を遥かに超えるとんでもない出来事だった。
















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