本日の日本

むらさき 69 さけぶ

第1話「清美と朋美の nada y nada」2016/0930

狂歌師魂性で現代日本を見渡し見詰める『本日の日本』シリイズ、

2016/0930「衆院予算委員会での辻元清美衆院議員と稲田朋美防衛大臣の質疑応答」、

後日、ネットで「稲田、涙ぐむ」の見出しに誘はれて、ビデオも見て(涙ぐんでるやうには見えなかったが、それよりなにより、蛇に睨まれた蛙の感じがして)、早速一興、


| 毒舌のヘビに睨まれ、哀れにも、呑みこまれゆくカエルと見えし


私には、稲田朋美女史が防衛大臣になった時の、第一印象があまりにもわるいものであった。狂歌が溢れ出てくるほどに最惡なものであった。私のイチャモンは、もっぱらその時の彼女の外觀に向かった。容姿は云はない。その化粧、その衣裝が防衛大臣として似つかはしくないもの、あるまじきものに感じ思はれたのであった。中國人形風に巻き毛をチラチラと耳元に垂らし、まるで場末のバアのマダム風情であった。


| チリチリとバアのマダムじゃあるまいし、巻き毛たらすな防衛大臣

| その心、驕りはなきや? その姿、見れば怪しく、疑はれくる

| こころせよ、國土防衛、その任務、鎭護國家の礎たるを

| これよりは挺身女子の身となりて、引っ詰め髪に、身を引き締めよ

 &

| 國防を司する大臣、そのことを心して見よ、出掛けの鏡


そして、彼女には運が惡いことに、防衛大臣の彼女に早速めぐってきたのが靖國神社參拜問題であった。それが國の内外に浪風を立てるのを(任命者でありながら)嫌ったのか安倍首相は彼女を波路遙かの外國へ派遣し、靖國參拜ともども、防衛大臣が何があっても出席しなければならぬ全國戰歿者追悼の大典にも欠席することになった。この事をもっぱら辻元女史に追求されたのだ。

歸國してからも、彼女は靖國神社に參拜することはなかった。それを私はやゝ彼女の諸般の事情は察しつつも憤慨した(英靈の側に立ったつもりで)


| 靖國の英靈、何と思ふらん、いつも來る人、今年來ぬとは


その後、彼女の國の内外、公式の場における姿を見て、やっぱり防衛大臣はミスキャストだったなと私の目には見えた。


そして、今回の衆院予算委員会で質疑応答、それ見たことかと思ひつゝも、辻元清美女史の毒舌嚠喨、嫌味タップリ皮肉タップリ云ひたい放題に返す言葉もなく項垂れ氣味の稲田朋美女史に、勝ち誇るがごとき辻元女史の前にトボトボとした感じの足取りで發言席へと行き歸りする彼女の映像に(蛇に睨まれた蛙の想像が重なって)、心ならずも同情を催していったのであった。

稲田朋美女史への不快は辻元女史の何から何までの不快さに比べればナンボもマシだが、私なりに以上のごとき行きがかりもあり、できた狂歌は稻田女史への追撃といふことになってしまった。辻元女史については日を改めて。


| 辻元に、足元すくはれ、涙ぐむ、悔し涙か、なんであれ、コトバにつまり(狂歌短歌のつもりで始めましたが興に乘り長歌もどきとなってしまひました)、氣持の動揺、まざまざと、印象づけて、これは失態、敵よろこばす。

 そもそもさ、防衛大臣、拜命し、喜び勇み、派手な衣裝に厚化粧、こらして雛壇、竝んだまではよかったが、最初の仕事が皮肉にも、お盆の前後、靖國問題、氣にした安倍の配慮で日本を離れ、終戰の日の國の大典、全國追悼戰歿式にも出席できず、そんな苦衷を、口裂けの口先女に皮肉られ、嘲笑中傷、ものわらひ、涙突きあげ思ひに詰まり、返す言刃もあらばこそ、見るに見かねて安倍総理、助け船だす茶番劇、無慘(無殘?)なりけり、役不足(で使ひ方まちがってないよな?)、思ふ存分見せつけて、悲しからずや ナダイナダ(nada y nada スペイン語で「何もなくて、何もない」といふ意味、敗戰後日本のかなり著名な精神科醫兼著述業の方のペンネイムで私は覺えました)。

 だいたいが、さうなることは最初から解ってゐながら、大臣拜命するからは、それなりの覺悟と決意あるものと思ひしかども、さにあらず、期待裏切り、唯々諾々と云はれるまゝに海外派遣、ジブチ訪問、靖國參らず、のみならず國の大典欠席させられ ‥‥ ちょっとばかり同情を(辻元女史のハンニャ面と交互に映しだされる稲田女史のオタフク顏が可愛く見えてきて、姑にいびられる可哀想な嫁に見えてきて)催してきましたので、ここらで止めておきます。

  かへし

| 痩せとデブ、キヨミとトモミ、ナダイナダ、ボケとツッコミ、くどきマンザイ


稲田朋美防衛大臣よ、大臣在任中は女を忘れよ。盛装するな。化粧もするな。さうして、

英靈よろこばす、國防の母となれ。



 追伸、

「役不足」はやはり誤用でした。が(負け惜しみ的に付記すれば)、平成二十四年度におこなはれた「國語にかんする世論調査」によれば、本來の意味「本人の力量にたいし役目が輕すぎる」で使ってゐる人の割合が41.6%、その反對の「本人の力量にたいし役目が重すぎる」といふ意味で使ってゐる人が51%となってゐるさうです。つまり、さういふ人物が昨今増えてゐるといふことなのでせう、か。

ちなみに、力量にたいして役目が重すぎる場合には「力不足」なのださうです。


 Word of World ∈ 思考 69 空想 ∋ Art of Heart

 狂歌師が食っていける日が來ますやうに

 むらさき 69 さけぶ


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