高校デビューできずに異世界デビュー
バイブルさん
序章 異世界アローラにやってきた
プロローグ
中学校の卒業式が済んでから1週間が経った木曜の夕方。
駅と繋がるようにある商店街には明日も仕事だ、と疲れ切ったサラリーマンが肩を落として歩く1週間で一番しんどい曜日。
そんな中、油が切れかけのせいかペダルが重い気がする自転車を走らせてる黒いシャツとジーパン姿の少年がいた。
まあ、俺なんですがね?
名を立石 徹というちょっと垂れ目で見る角度次第ではもしかしたらイケメンかもしれないフツメンのナイスガイ!
髪質が堅いのに短く刈ってるせいで立っている。
やっぱり男とは尖ってなんぼだと思う。
卒業式で第二ボタンの予備を10個用意して10個持ったまま帰った俺はやっぱり尖ってるぜ。
オリジナル第二ボタン?
男たるモノ、見栄も張れなかったら駄目だ。
自分で取ってズボンのポケットに仕舞って帰って、10個だったはずのボタンが11個になってましたが何か?
隆が俺の肩を叩いて涙ぐんでた事実なんかないし、俺も泣いてないからね?
振り返らない男はカッコイイとは思うが、やはり失敗から学ばないと駄目だと思う訳である。
これからの高校生活、やはり美女……は高校生では無理があるかもしれないが可愛い彼女を隣に連れてリア充? をしておきたい。
だから、今回だけはポリシーを曲げて振り返る事にする。
何故、俺はモテないのか!
待て待て、まだモテてないという解が出た訳ではない。そう仮定である事を認識して置いて欲しい。
そこを踏まえて卒業式が終わってから1週間悩み続けて俺はやはり、
そこで皆さんに『はぅとぅー』
自分で学力を上げようと思ったら何に頼りますか?
はい、正解!
正解率5割越え、徹ちゃん、とても嬉しく思います。
そう、参考書を手にするです。
俺も悩み、その答えに行き着いた。
今、左手に抱えているのがその参考書である。
危険なミッションをクリアして漸く手に入れた危険物である。ちゃんとマークまで表示されるほどのものらしい。(決して18に丸など書かれてたとは言いません)
そんな危険物を持って外をうろうろしてて万が一、
ここの路地裏はコートを着た変態が出ると有名で女(てき)が近寄らないという男にとっては安全なルート。
何故ならこんなところでたむろってたら気合いの入った不良も周りから変態のレッテルが張られる恐怖から近寄らないからである。
そんななかを安全地帯と呑気に入る徹が周りにどう思われてるかは徹は知らない。
路地裏を鼻歌を歌いながら進んでいくと突然、名前を呼ばれた気がして振り返る。
『とおる』
その声が発してるのが光の塊と知る。
やばい! あれは人魂か? 宇宙人的なアレか?
俺はペダルに力をいれて漕ぎ始める。
後方からぶつかるように飛んでくる光の玉を必死に避けると今度は右から違う声と共に光の玉が飛び出してくる。
『待ちなさい』
待てと言われてこの状況で待つバカはいねぇー!
身を捻って避ける。
立て続けに飛び去った方向の左からまた違う声で呼び掛けられる。
『痛くしないから』
誰が保障してくれるんだぁ――!!
これも頑張って避けながらもペダルを強く踏む。
今度は正面から飛び込んでくる。
『えいっ!』
捻りもない真っ直ぐの直球勝負をされてハンドルから手を離して仰け反る事で避ける。
人間やる気になったら結構色々できるもんだ。
再び、ペダルを強く踏んで追いかけてくる4つの光の玉を引き離すべく疾走する。
少し、距離が取れたところで急カーブして壁に身を寄せてやり過ごそうと実行すると上手くいったようで、4つの光の玉が通り過ぎる。
するとその通路の奥で先程の光と比べて弱々しい光の玉がある事に気付き、慌てて逃げようとする。
だが……
『助けて……』
そう言われた瞬間、逃げるのを止めてしまう。
俺もこのまま逃げるのが賢いと理性が言うが直感が見捨てるな、と言い、対立を始める。
それ以降、一切反応を示さない光の玉を見つめて、徐々に俺は近づいていく。
光の玉に手を差し伸べた時、俺は北風と太陽の話を思い出し、思わず、クスッと笑ってしまう。
そして、光の玉に触れた俺は天地がどっちか分からなくなる酩酊状態に襲われる。
意識が霞むなか、俺はある疑問を思い出し悩み始める。
「参考書のサブタイトルは「今年の春から高校生、春奈15歳。たわわに実るEカップ」だったっけ?」
俺はEカップかFカップかと命題に頭を悩まさせながら意識をフェードアウトさせた。
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