人間の欲望は安全と引き換えには出来ない
此処のところ物事の安全性が問われるニュースが飛び交っている。
そしてそれは人間の欲望が大きく影響を与えているように私は思った。
そしてこの問題を考える上でよく適正価格という言葉が取り沙汰される。
価格競争の中で適正価格が破壊されてしまった事が安全性を蔑ろにするような事態を招いた。
確かに要因としてそのような面がある事は否定出来ないが、だからと言って価格を適正にするという対策には疑問も感じたりする。
必ずしも直接的な対策が問題解決に繋がるとは限らないのではなかろうか。
そこで人間の欲望と絡めて安全を考えてみたいと思う。
先ず消費者は安ければ安いに越した事はない。
勿論、経済的に余裕のある方は「安さ」を求める必要は無かったりもする。
しかしそのような方はごく一部に限られてしまうだろう。
市場にいる殆どの方にとって「安さ」というものは評価の一つとして大きいように思う。
そしてその「安さ」と「安全」を秤に掛けた場合に「安全」を優先する事が出来るのか。
「安全」を優先すべきなのか。
勿論、出来る方と出来ない方の双方いるだろう。
出来る方はすればいいだけの事で問題なのは出来ない方であろう。
出来ない方にする事を強要するのか。
この問題の解決策として価格を適正にするという事は、そういう事になってしまうように思う。
要するに適正価格を払う事が出来ない方は供給を受ける資格がないという事にしてしまいかねない。
勿論、一つの事に対してはそのような理屈を通してもいいのかもしれない。
しかし人間の生活には様々なものが絡んできたりもする。
何かに対しての「安全」に代価を払う事で何かを犠牲にしなければならなくなるのであれば、それを受け入れる事が出来るのだろうか。
必ずしもそれが出来るとは限らないだろう。
結局、価格を適正にしてしまうと適正価格を払えない貧しい者を市場から廃除するだけになってしまい、廃除された者の中から犯罪をしてでも供給を受けようとする者を生み出しかない。
そのようなリスクもあるように思う。
また貧しい者の市場からの廃除は下手をすると人権侵害に当たる可能性も否定出来ないように思ったりもする。
更に踏み込んで考えてみると人間は、そもそも「安全」というリスクに対しては鈍感な生き物でもあると思うし、鈍感であった方がいいのかもしれないと思ったりもする。
「安全」というリスクに対して鈍感であった事で我々人類は、これまで様々な挑戦をし可能性を拡げる事も出来たのではなかろうか。
何故あんなに危険な事が出来るのだろうかと、他人からしたら無謀に思える事も本人からしたら、そんなには危険だと感じていなかったりするのかもしれません。
結局、人間は自らの欲望に対して「安全」というリスクを都合良く考えてしまう生き物であり、それを責めても仕方がないようにも思う。
例え危険性を認識しても、その危険が自分に降りかかるとは思えなかったりもするのだと思う。
そしてそう思ってしまう事で自らの欲望に身を委ねる事にもなったりするのだろう。
それが時に結果として不幸な事件、事故に繋がり、ニュースとして社会の中で表面化するだけの事で、自分もまた気付かぬうちに「安全」を犠牲にして、何かに挑戦してしまっているのかもしれない。
やはり人間の欲望は「安全」とは引き換えにはできないという結論になるのだが、だからこそ供給側に安全を徹底させる必要があるのではなかろうか。
そして消費者は「安全」を思い込む事で様々な事に挑戦も出来るようになる。
それが自らの可能性を拡げる事に繋がったりもするのだと思う。
ただ此処で一つ大きな問題が出てくる。
供給側も人間だという事である。
それが「ばれなければいい」と都合良く考えてしまう事に繋がり結果として違法な手段を用いる事にもなってしまう。
供給側も「安全」を犠牲にしてしまうという事にもなる。
ただこちらは不幸なニュースとして表面化するだけと片付ける事は出来ない。
何かしらの対策が必要ではあるだろう。
その対策としてこれまで規制を緩和する方へ進めてきた部分を再び規制する方へ舵を切るという選択肢も考えなければならないのではなかろうか。
そしてその際には具体的に経済的な支援も必要になってくると考える。
その支援を供給側にするのか需要側である消費者にするのか。
その辺の議論も今後必要になってくるのかもしれません。
因みに私の個人的な意見を申させて頂くと消費税の減税が一番有効なのではなかろうか。
それが一番困っているところへの支援になるんじゃないのかな。
そしてそれにより減る税収の分は富裕層の方々に負担して頂きたく思う。
その為の新たな仕組み作りも必要になってくるのかもしれません。
せっかくマイナンバーやるんだから、なんか上手い事出来ないものかと思うが、とりあえず私は此処で力尽きます(笑)
また何か思いついたら記事として書きたいと思います。
転載元URL(2016.1.22)
http://next.spotlight-media.jp/article/239566126891543501
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