第5話トゥーデイズ【昼】

悲しいことに遅刻指導はあった。

「じゃあ昨日と同じ感じでよろしく。報告には来いよ」

教師は去っていった。

「じゃあやりますか!」

「頑張れ木下」

「森下だよね!」

おう、また間違えてしまった

「ところで昨日みんなのところにトランプ届かなかったかしら?」

「「「「びくっ」」」」

「なるほどここの人達なのね」

竹内が言った様だ

「な、なんでそんなこときくんだよ?」

畑中が言う

いやもうばれてるだろう

「今日会った人全員に聞いてたのよ」

「なるほど合理的ですね!」

桑原である。

いやいやアホかどこが合理的だよ。

「じゃあここにいるみんなの所にはトランプが届いているようね。つまり...」

「この中に1匹人狼がいるわけだ」

「この中に1匹人狼がいるということだね」

「この中に1匹人狼がいるんですね」

「この中に1匹人狼がいるんじゃん?」

「この中に1匹人狼がいるのね」

・・・

「さぁ、話し合いを始めましょう」

完全に竹内仕切りだな

「ところで私あまり人狼ゲームというのに詳しくないのだけどここからなにをするの?」

「知らんのかい!」

「急に喋ると驚くわ。えっと、中田君」

「知ってるものと思っていたからな。すまない」

「いえ、じゃあ教えてくれるかしら?」

「では、因みに他に知らないやつは?」

「アタイもあんまり詳しくないぜ」

「僕はだいたい知ってるね」

「ボクも大体は大丈夫です」

「なるほど、じゃあ始めよう。」

そうして話し合いは始まった

「まずは役のコールだな」

「自分の役を言うということかしら?」

「そうだ、因みに俺は市民だ」

「私も市民よ」

「僕も市民だよね」

「ボクも市民です」

「ア、アタイも市民だ」

まあそうなるよな。予想されていた事態だ。

「ここから話し合いの中で矛盾点やなんかを探っていくわけだが...」

「なるほどねじゃあ私はハートのジャックよ」

!なるほど、コイツは頭が回るじゃなか。

各カードは1枚ずつ。それを使うのか。

「乗った!俺はクラブのエースだ!」

これでどうなるかな

「あと2枚ね」

「ア、アタイはダイヤのキングだぜ」

「えぇ!僕もキングだよ!スペードだけど」

バチバチしてるな。そこ

「お前はなんなんだ?イケメン」

「ボクはハートのエースです」

イケメンで答えるとは嫌味なやつだ

「そして俺に被せてくるのか」

とことん嫌な奴だな。

どれくらい嫌なやつかと言うとコンクリートロードはないよって言う奴くらい嫌なやつだ

「これで私以外のカードが被ったわけね」

「だな」

いつの間にか主導権が戻ってるな

「まぁ占い師が賢いやつで良かったよ」

「どういうことかしら?」

「馬鹿正直に言わないから勝つ確率が上がってるんだよ。これを人狼ゲームのテクニックで潜伏占いというんだ」

「なるほどね」

「他に何も言いたいことがなければ投票に入ろうと思うんだが...」

「待ってください。なぜそんなに早く投票に入りたがるのですか?ボロを出したくないからじゃないんですか?」

「違ぇよ、一応今竹内は推定白であとはグレーしかいないんだからこれ以上争っても仕方ないだろう?ならもう投票しようって言ってるんだ。」

「なるほど納得は出来ませんがまあいいでしょう。」

「じゃあ投票用紙は...あれね」

昨日俺の磨いた教卓の上にA4を半分にしたくらいの大きさのわら半紙が5枚置いてあった。

「では投票タイム!」

・・・・・

最後の竹内が箱に入れ終わった。

ピンポンパンポン

放送の音が響いた

《投票の結果吊られたのは森下です

人狼は生き残ってゲームは続きます》

「えぇ、なんで信じてくれn」プツン

放送が切れると同時に森下の意識も途切れた

目覚めると森下は空き教室に入った後の記憶だけ都合よく忘れていたのである。


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