蜘蛛と試験
~0~
やりたくないことを無視して逃げるのは簡単だ。
しかし、そうすると。自分のやりたい大概のことが出来ない状況になるけれど。
◇
つんつん、つんつん・・・。
ぷるっぷるっ・・・。
俺の対面の席に座った女性が皿に乗ったものを、手にしたスプーンで何度も何度もつんつんと突っついている。
ぐぐっ・・・。
むにゅぅー。
飽きもせずに繰り返されたそれが、ようやっと終わったかと思えば、次は倒れないように慎重に。
然りとて弱くはなく、まるで押し退けるかの様にスプーンで横から圧を掛ける。
ぱっ。
ぽよよんっ!
倒れそうになる限界ギリギリまで形を変形させたそれが重力に引かれるまま、崩れそうになる前に一気に圧から解放させて元の形へと戻る。これらの行為を繰返し、一向に口へと運ぼうとしない。
「・・・。」
「・・・。」
本来であれば食べ物で遊ぶなー。とか、そんなお小言めいた事を言う所なのだが。今回ばかりは、そう事は単純にいきそうになさそうだ。
アレを作りながら、配膳する時、そして現在。
何度も盗み見ている彼女の事をもう一度眺める。
その女性。妙に肌面積の大きい扇情的な服。
そして、その背中が大きく晒された服のせいで余計に強調されている。肩甲骨辺りから腰に掛けてに存在する。黒々とした6つの鋭利な脚、臀部には蜘蛛の腹に当たる部分がある。
そして個人的にもっとも特徴的なのは。視覚の邪魔にならないようピンを使って、淡い紫色の前髪を横に流した顔。そこに8つある大きな目。8つ4対の複眼。その構造上、瞳孔の存在しない、くりくりとした紅い瞳。
「私って。やっぱり気味が悪いのか・・・?」
それら全てを大粒の涙で濡らし泣いていた。
◇
「邪魔するぞ!」
そんな声と共に1人の女性が、ドアに付いているベルを鳴らしながら、入店する。
時間は既に日か沈み、気持ち良さそうに寝息を漏らすハーピィのちみっことそれを背負う私兵の隊長さん。
そんな最後の客を見送り、まだ閉店するには少し時間が早いのだが、食材をほぼ全て吐き出しての食事会。
正確には、色々あって気が立っていたとは言え、先日の俺と狼野郎の勝負に巻き込んでしまった事に対する俺の謝罪の気持ちを込めた宴会。
食材が痛む前に使いきりたかったと言うのは、彼等には内緒だ。
途中にトマトを使ったサラダを出した時には、隊長さん含めた何人かの顔が引きつっていた。どうやら前回の騒ぎで、一部の人達のトラウマになったらしい。
本当に申し訳ないことをしたと思っている。悪いとは思っている、だが反省はしていない。食い物を粗末に扱うことは許されることではないのだから。
そんな会食を終え、疲れていたこともあり。そのまま閉店の準備を推し進めていた。
そんな、タイミングでの来店。
「ああ、すみません。今日はもう食材を使いきってしまったんですよ。」
「それなら問題ない。こちらが用意した。これで何か作ってくれないか?」
だから帰ってくれ、と椅子を退かして床掃除を継続、視線をそちらに向ける事なく言下にそう伝えたのだが。俺の早く休みたいと言う欲求は軽々と吹き飛ばされた、くそぅ。
そうして、掃除を中断し視線を声がする方へと向ける。そこには・・・。
肩や足を露出させた、薄く軽めの普段着に使えなくもない。だが、その蜘蛛脚を出す為だったり、種族柄仕方がないとは言え。背中やら太腿だったり肌の露出が大きく。実に視線に困る服装。
黒と紫を基調にした和服を改造した様な物を身に纏った蜘蛛の魔人が居た。
それは、女郎蜘蛛と言う種族に分類される魔人。アラクネと呼ばれる蜘蛛の身体に人間の上半身が生えた様な種族とはまた別種の。一目見ただけでは小柄な女性を思わせる。
だが、その顔にある8つの複眼や、背中側にある脚や腹は歴とした蜘蛛の身体。そんな魔人。
「私は、さる御方に護衛としてお仕えになっているものなのだが、今は雇い主の我儘な任務中でな。様々な料理屋を探しているんだ」
うん、なるほど。わからん。
護衛が必要なくらいのお偉いさんなら、こんなチンケな店に来るまでも無く。まるで贅沢と言う言葉を形にしたらこうなる、そんな品々を扱っている高級店に行けば済む話だろうに。
「あぁ。いや、我が主人ながら困ったものなのだが。ただ高級なお店より、色んな場所で様々なものが食べないと勿体ない。と、そう言うんだ。」
俺自身は何も言ってないのだが、悩むそぶりを見せた事で察してくれたのか、人差し指で自らの頬を小さく掻き、苦笑いしながら答えてくれた。こちらの表情一つで、そこまで考えが至るぐらいには繰り返された行為らしい。
「そうか、わかった。何が作れるか見てみよう」
「ああ、頼む」
そう短めのやり取りをした後、彼女から手荷物の食材を受け取り、中身を拝見し眼を見張る。うちの様な小さい食堂ではお目にかかる事のないであろう高級食材達が犇めきあっている。その中でも1番に眼を引くもの。
どうやら肉料理をご所望らしい、その重圧な存在感ですぐに理解した。あらゆる付け合わせが作れそうな色々な食材達に囲まれていて尚存在感を放つ食材。
「ドラゴンの肉、か。」
「出来そうか?」
「生憎とうちではドラゴンの肉は取り扱ったことが、指折り数える程度の回数しかない。」
「ふむ、なら辞めるのか?他の店であった事なのだが、下手な調理で食材を駄目にされるのは、こちらとしても困るんだ。」
「試す前に辞める?とんでもない。」
「ほう?なら見せてくれ。」
それが、彼女との出会い。
それからと言うもの、彼女は何度かうちに来た。毎回閉店間際の最後の客が出ていったのを狙ったかの様に。
いや、理由は思い当たらないが、実際に狙っているのだろう。来店する度に趣向の変わる食材を持ち込み。俺が出した料理を完食、そして最後には合格だな。と呟き帰る。
フルコースの、肉料理や魚料理、メインディッシュやら色々と作った。
そして、現在。
彼女の前にはデザート。手作りのプリンが置かれ、スプーンで弄ばれている。思えば今回の食材。正確には砂糖を持って現れた時から様子がおかしかった。
口数は少なく、いつもの食材を差し出すときも二度目からは中身を説明してくれたりもした。それがなかったのだった。無言で食材入れの袋を渡して、出来るか?
この一言のみ。
「あまり菓子類は得意じゃないんだがな」
魔法の粉があれば俺でも結構色々な菓子が作れるんたがなぁ。使い方は知っているが、構造や作り方は知らないものなんて世界には溢れている。携帯電話なんかがその最たる例だろう。大概の人は持っているし使いこなしている。だが構造や仕掛けはわからない。世の中そんなもんだ。
ちなみに、魔法の粉と言うのは、危ないものでもなんでもない。ホットケーキミックスだ。あれは牛乳入れてフライパンで焼く、そして瓶詰めの蜂蜜。あれだけでも小さな幸せを感じるくらいに美味しい。
サツマイモを茹でて、潰して生地を作って、それに板チョコを小さく刻んで、オーブンで焼き上げればチョコチップクッキーに。ふむ、久々に食べたくなってきた。ないけど。
「菓子は苦手か?」
そして今度は、俺の先程の言葉に食いつき、身を乗り出してくる目の前の席に座る彼女。なんで嬉しそうなんですかね?
それにしても、おおう・・・。開いた胸元が絶景です。御馳走様。
「いや、なんとかやってみるよ」
「そうか・・・。」
なんか見るからに気落ちしている。背景にガッカリとかズゥ~ンとか文字が幻視出来るくらい。
「まあ、貴方の腕前は少しは知っているつもりだ。美味しい、だろうなぁ・・・。」
「久しぶりに作るから形が上手くいくかはわからないんだがな・・・。まあ味は、そこそこだと思うぞ?期待しすぎないで待っててくれ。」
大体この世界のお菓子は甘過ぎるんだよなぁ。初めて高い金払って食ったときは絶句したもんだ。
砂糖が高級品なのは分かるんだ。だが、甘ければ甘い程良い、そして高い。だから食う。みたいな思考停止した貴族達のアレ。
あの砂糖たっぷりな物と砂糖を掛け合わせ、更に練乳を付けてどうぞ。あんな冗談の様な物を、お菓子。そう呼ぶことは、俺のちっぽけなプライドが許さなかった。
MAXな珈琲でもここまでやらんぞ、アレも大概だがな。なんだよ加糖練乳って、もう字面だけで甘いわ・・・。
「さて、と。」
程々に苦味を追加する方法で最も簡単なのは焦がす事。砂糖に水を少々、それを混ぜながら弱火でじっくりと煮る。これだけだ。
そして、いい感じの焦げ色が付くカラメルソースが完成するまでの間に本体分の作業に入る。
こちらが一方的に巻き込んだ騒動ではあるが、勇者の血縁者に在らぬ嫌疑を掛けた、と。それの謝罪の気持ちとして、ハーピィのちみっこから貰った卵。見たことない品種ではあるのだが、あの金持ちの豪商人の娘が持ってきた物だ。安物な訳はないだろう。実際に今日の宴会で何品か使ったがコクが強くとても美味かった。
まあ、正確にはアイツが兄さんと呼んでくれているだけで、血縁者ではないのだが細かいことはいいだろう。
俺は貰えるものは何でも貰う人間だ。
その卵を3つ程取り出し、もう一つの鍋の淵にカッ、と当てて殻を割り投入。いつの間にか出来る様になっていたが、初めて片手で卵の中身を割り入れた時は感動したものだ。
それに牛乳、砂糖を混ぜる。多少面倒でも砂糖は玉にならない様にしっかりと混ぜる。
カラメルソースの方に視線を移すと、既にいい感じの茶色になってきていた。蓋をして退かしておく。同時に更に追加で鍋を用意して水を張り、それを火に掛ける。
混ぜる、混ぜる、混ぜる。ひたすら牛乳、卵、砂糖を混ぜまくる。
お菓子作りは腕をイジメた分だけ美味くなる。それが俺の勝手な持論である。
カラメルソースを見ている必要がなくなったので、無心で混ぜる。意識してしまうと彼女の蜘蛛の脚を見てしまうから。
だが、必死に自分に言い聞かせ意識を反らしていても思わず見てしまう。観察してしまう。
先程の混ぜたものを何度がこして、砂糖を完全に馴染ませる。そうして出来たものを。内側に油を薄く塗った小さな容器へと、気泡が出来ないよう注意しながらゆっくりと流し入れる。
3つ目の鍋の水も沸騰してきたので、これの中に小さな容器を入れる。あとは弱火で10分弱。この空いてしまった時間を使った器具の洗い物に当てる。
洗い物を無心で進める、女性の身体をジロジロと観察するのは失礼だからな。
そうして、全ての洗い物が終わった時には15分が経過していたので、最後の仕上げに入る。
ここで取り出したるわ、お嬢ちゃんが自作してくれた魔法の道具。一見すると取っ手の付いた小さな箱。これを開けて中に、先程の火が通った容器を入れて閉める。
ガヒョー!!
と、変な音が部屋の中に響き渡る。30秒程してから中の小さな容器を取り出すと、それはいい感じに冷えていた。
『暑い日に冷たい水が飲みたくなって作った』
お嬢ちゃんがそう言っていたこれは、コップ1つしか入らないくらいに小さいし、1度使うと空気中の魔素を取り入れる為だかなんだかで、数時間は使えない。
新しいのが出来たからあげる、と旧式を譲り受けたものだ。正直言うと使い勝手はあまり良くないのだが、先程も言った様に俺は貰えるものは、何でも、貰う。
皿を用意、小さな容器を逆さにしてその上に乗せる。
薄く塗った油で滑りが良くなった中身を、容器の底をペシペシと叩き、落とす。
うん、プッチン出来ないけど、プリンはこうすると美味さ3倍だな。見た目が大事なんだろうな、きっと。
そうして、カラメルソースをたっぷりと掛けて完成。
出来上がったものを彼女の前にスプーンと共に配膳。
スプーンを手に取り、平時であればすぐに食べ始める彼女は、今日は何故か食べようとしなかった。
いつまでたっても食べ進めない事を不思議に思った俺は、無意識とは言え、再び彼女の身体を眺めてしまっていた。
大きく開いた胸元、和服、そして・・・。
「ッ・・・!」
意図せず再び脚を眺めていると、その脚が小刻みに震えているのがわかった。その変化に気付いて彼女の顔へと目をやると。ポロポロと大粒の涙を流していた。
え、ちょ!?
「私って。やっぱり気味が悪いのか・・・?」
俺が大いに慌てているのを尻目に、虫の鳴くみたいな小さな声で彼女は、そう漏らしたのだった。
◆
私は捨て子だった。
今時そう珍しいことでもない。
だが、場所と種族が問題だった。
私が。魔人である私が捨てられていたのは、人間が納めている人間の為の王国。そこに程近い森の一角だった。誰かに保護してもらわなければ生きられない赤子。
運良く発見されたとしても、この身体には人とは違う。
しかも、他の虫を駆逐し補食する、分類的には益虫と呼ばれるものの。その見た目で嫌われることの多い蜘蛛の身体を持って生まれた。
そんな私が生き延びれたのは幸運だったと言う他ない。
王国の一等地に家を持つ物好きな人。あの人が野生の動物や魔物の狩りの見学に来ていた時に見付けてもらったのだった。
血こそ繋がっていないが、私は彼を本当の親だと思い慕っている。いや、本当の親処ではない。私を捨てた人達の事など最早どうでもいい。
あの人の役に立ちたい。
これが私の行動理念の根底にあるもの。
私がやれることは何でもやるつもりだった。だが、私の身体がそれを許さなかった。
耳が尖っている等の、単純にフードを被ったりして隠し通せるものではない。それで複眼は隠せるかも知れないが、私の背中から生えている脚は、真っ直ぐに伸ばせば自分の身体の倍はあるのだ。
だから私が、彼に何か恩返しをしたくとも、魔人に理解の無い王国では人前に出ることは出来なかった。外に自由に出れない分、屋内で出来ることは何でもやった。家事だって人並みにはこなせるし、役に立てたと思う。
でも、それだけじゃ嫌だった。
家の事だけでは、どうしても暇で何もすること事がない、無為な時間が出来てしまう。それが堪らなく嫌だった。もっともっとお役に立ちたかった。
そんな私が。今まで以上にあの人の役に立ち、恩返しするには。考えに考え抜いた・・・。
そして護衛を連れて外出するあの人を見て、戦いしかないと思い至った。そう思ってからの私は、家事をこなしながら、開いた時間を使って身体を作った。
私以外に家族がいない。詳しく聞いたこともなかったけど、少なくとも。この家には彼と私の2人。あとは私の事を隠して育ててくれた為、表向き独り暮らしのあの人の家には護衛の兵士達が交代で詰めていた。
日々沢山の来客があったし、様々な腕の立つ護衛の人が訪れる。その人達を相手に、模擬的な隠密行動を繰り返し、稚拙ながら技術を磨いた。
大概の人に気付かれなくなったから。その何の根拠も無い自信を理由に。大事な仕事が出来たから。そう言ってお城に向かったあの人に勝手に着いていった事もある。
何故か、あの人にはバレて怒られたけど・・・。
「私しか出来ないことをやる・・・!」
蜘蛛の身体を生かして、天井を、壁を、どんな場所でも動き回れた。人間には出来ない事も軽々と出来る。人間じゃないと出来ない事が沢山あるなら、私にしか出来ないことを最大限やる。
そうして、数年がたった頃。
私の隠密行動は誰にも気付かれなくなった。
表向きの護衛達の取り逃がした刺客を、私が捕らえた事もあるし。不穏な動きがあったらそれを独自に調べて黒幕を始末したこともある。
危険な事は辞めてくれ、と1度だけあの人に言われたこともあったが。これだけは譲れなかった。断固として譲らない私に、苦虫を噛み潰した様な渋い顔をしていたが、彼公認の護衛の役目を手に入れた。
その日からは、大手を振って役目に没頭した。まあ隠密行動が基本なので、実際には目立つことはしていないのだけど。
私も彼も大きな怪我をすることなく、何も問題ない充実した日々だった。
今日この日までは。
「・・・。」
私が用意した砂糖を使い、実に手際よく作ってくれた目の前の男。ここ最近、私が定期的に通っているここの店主だ。
「私が閉店間際に来るのだってそうだ。ここは魔人と人が共存している珍しい町だ。だが、ここでも私は人の視線が堪らなく恐いんだよ。だってそうだろう?
私の身体はこんなにも醜い、人間とは似ても似つかない。いや、基本的には同じものだからこそ異形の部分がより際立つ。店主だってそう思うんだろう?」
蜘蛛の身体をわざとらしく蠢かしながら、私の事が恐いんだろう?と、本当は聞きたく無い言葉を、自らの誘導する形で訪ねてしまう。
私が今まで無視する事が出来ていた店主の、人の、他人の視線を、今日だけは我慢出来なかった。答えなんか決まっている。卑屈な笑みが漏れる、笑った端から悲しみに崩れて行く歪な表情。
『今回の私のこの我儘を最後に、キミには暇を出そうと思う』
脳裏に今尚、鮮明に焼き付いているあの人の言葉を反芻し更に涙が流れる。食事の最後の締め、デザートを突っつく。
目の前の彼が作ったデザート。これもきっと美味しいものなのだろう。途中変な箱が妙な音を上げていたのが少し気になるが・・・。
彼の作るもので美味しくなかったものには今のところなかった。
だからこそ、これを食べて合格だったら。私はあの人に捨てられてしまうのだろうから・・・。
「なあ。」
今まで黙っていた彼の言葉が部屋に響く。
蔑むだろうか?嘲るのだろうか?
恐い。辛い。血の気が引く。
具体的な言葉が何も言われていないのに、心が不安定で簡単に折れそうになる。
そして紡がれた言葉で
「蜘蛛の脚、触っていいか?」
私の頭の中は真っ白になったのだった。
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