「長期休業」の中には恋が詰まっている

暁千鶴

プロローグ

2014年、2月。ある会社のコンテストによって、読者を深くまで魅了させる、天才的な小説家が誕生した。

名前は瀬戸優月。この二年間と言う短い間で六作品という数を出版してきた。彼女の作品はホラー、またはミステリーで定着しており、一切他のジャンルに手を出すことはなかった。

ここまでの内容で彼女の作品を読んだことの無い人であれば普通の有名な小説家。しかと思うかもしれない。がしかし、瀬戸優月の天才的要素の一つはその若さにあった。驚くことにデビューする当時の歳は十二歳。中学一年生だ。現在は中学三年生。彼女は15歳だ。

全米が驚いたの年齢と引き込むような作品は、ついに社会現象を起こすところまでに勢いは到達した。


そして昨日7月7日。彼女の行動が世界を動かした。お昼頃、瀬戸優月が独自で会見を開くことを発表。それを聞いマスコミや新聞社はノコノコやって来て、数分がたつ頃には東京の会場は犬一匹は入れなさそうな位までになっていた。

時間が来ると、直接本人がステージに上がってきた。そして彼女の口から知らせた内容は__「瀬戸優月長期休業」の発表だった。先程も述べたように瀬戸優月は世界が認める天才的な小説家であり、世界が驚いたこの内容について深入りしたい人は大勢いると思われた。だが彼女はなにも理由を話さず会場から姿を消したのである。


突然小説の世界から姿を消した瀬戸優月は、今後帰ってくるのか、

それともこのまま姿を消してしまうのか。

我々は彼女の今後の進展に期待したい。


速届新聞(Hayato)


「今後の進展か」

甘味が全く無いコーヒーを啜りながら、今日の新聞の大見出しを見て、彼女は呟いた。

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