赤い陽炎
ぼんやりと
あと一つ角を曲がれば,自宅へ帰り着く。そのとき,その視界の端に違和感を覚えた。正面右手の電柱の下に何かある。足を止めて目を
《それ》は,
目を凝らす。
しかし,《それ》の
目を凝らす。
もやもやと揺らぐ《それ》は,じわじわと少しずつ大きくなっている気がした。
目を凝らす。
……。
…………。
……………………。
…………………………………………。
次の瞬間,《それ》は急速な勢いで巨大化を始めた。見る間に周囲を覆い尽くし,体が反応する間もなく飲み込まれる。そして,視界が赤く染まる。空も月もすべてが赤く染まる。
すべてを飲み込んだ《それ》は,気づくと後方の
私の全身は,真っ赤な何かで,ずぶ
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