小さな勇気

斉藤流

第1話 ただ、死を待つだけだった

 俺の物語は終わりから始まる。

えっ?、始まったばっかりだって?

いいや、もう終わっているんだ。

なぜなら俺はニートなんだから。

だからさ、生きてても、もう社会的に終わっている。

あとは、死ぬのをただ待つだけの人生。


誰しもが感動するとんだ名作ストーリーだろ?


 そんな俺の物語が始まっちまったんだが、毎日をダラダラと家で過ごす俺に人様を感動させたり、笑わせたり、楽しませたりするストーリーが生れる訳もない。


 じゃあ、何で俺の物語が始まったのかって?

そうだな~、一言で言えば本能。


 恋だ、恋をしてしまったんだ。

 

 

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