詩集「灯火のように」

ともしび

はじまりの言葉

きみは生まれた瞬間ときからみんなとは違う個性を持っている

みんなだって一緒

わらった顔がすてきな子

大きな声で泣くげんきな子

みんなみんな違う個性を持っている


きみが子供のころ

きっときみは同じ空間で同じ時間を過ごしている他の子のすることが気に食わなくて けんかをしたことがあるだろう

そのけんかで初めて他の子の好きなものを知り 嫌いなものを知り 仲良くなっていく


きみが少しだけおおきくなったころ

きっときみは自分と違うたくさんの人の個性を知っただろう

それで自分の個性をきみは必死に隠して みんなと歩幅を合わせようとしたよね

ふと周りを見渡せば 周りの子がいじめられてたり 自分がいじめられていたり

きみはいじめている子に体当たりできたかい

自分やその子を守ってあげられたかい


きみがおおきくなったころ

きみはきっと高い高い壁の下に来て上を見上げただろう

その壁はきみの力では乗り越えられないのかもしれない

君がその壁の先に向かうのを諦めた時にきっと雨が降り出し 風も吹きだしてくる

少し待ってみよう

きっと雨が壁を溶かし 風がきみの背中を押してくれる

雨はきみの大切な人たちが流した涙

風はきみの大切な人たちの声


きみはこの長い道をゆっくりとゆっくりと歩んできた

きみの歩いてきた方向を振り返ってみよう

きみはここまで歩いてきて何を得て 何を捨ててきただろうか

今のきみは今までの得たもの 捨てたもの 感じた喜び 流した涙でできている


きみはこれからも長い道を自分の個性を持って歩き続けるだろう

これからも何かを得て 何かを捨てて

ずっと ずっと

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