Girl meets friend

ハチロク

001出オチ 開始10行のクライマックス

僕たちはこの日もとある総区に来ていた。

そして、いつも通りカオステラーを倒し、調律するところだった。が、ただ一つ違ったのは、その場に、目に見えない少女がいることだった。

「へーっ、すごいですね。あんな怪物を倒してしまうなんて!」

「まあ、俺たちは、タオファミリーだからなっ。」

タオが少しドヤ顔をしながら、言う。

「まあ、これで心配ないです。姉御が調律をすれば、元の物語に戻ります。」

僕らは、はたから見ると、四人で話しているように見えるが、そこには、実はもう一人、幽霊となって、声だけが聞こえる、女の子がいた。

彼女は満というらしい。そして、僕らが彼女と出会ったのは、この総区に来てすぐのことだった。

僕たちはいつものように、霧の中を歩き、とある総区に訪れていた。

その総区は、大天使が治めていた総区で、人々は平和に暮らしていた。

しかし、ある時、どういうわけか、大天使が堕天して、カオステラーとなってしまっていた。そんな総区で、僕たちに最初に声をかけてきたのが、彼女だった。

彼女は、突然、僕たちに話しかけてきた。いわく、彼女はもともとこの総区にいたらしいが、どうゆうわけか、死んでしまい、そしてさらに不思議なことに、彼女の代役がたてられることなく、この総区の物語は進行していて、彼女は消滅することなく、誰にも姿が見えない状態で、一人、存在し続けているらしい。そして、彼女がいつものように町の中をぶらぶらとしているところに僕たちが通りかかり、彼女と出会ったということらしい。彼女は、幽霊になって、記憶喪失となり、運命の書もどこかになくしてしまったと言っており、僕たちがコンの総区に来た理由を話すと、「楽しそうだから、ついてってもいい?」と僕たちに尋ね、れいなとタオは少しびっくりしていたけど、シェインが二つ返事で許可してしまい、彼女と僕らは、カオステラーのところまで、ヴィランを倒しながら、やってきたということだ。

彼女は戦うことこそはできないものの、僕らを元気づけてくれた。そして、僕らは堕天した大天使のもとまでたどり着く。

………

……

僕たちは、大天使を倒し、そして、今に至る。

「じゃあ、調律を始めようかしら。」

れいなが言う。

「ねぇ、調律が終わった後、また、会えるよね…?」

「ええ、きっと会えます。」

シェインが言う。もちろん、調律後に彼女が僕らに会っても、彼女は僕たちのことを覚えていないんだろうけど…。

「…」

満の声が聞こえなくなり、この徐の気配も消える。

れいなはそのことを確認し、調律を始めた…。

「『混沌の渦に呑まれし語り部よ』

『我の言の葉によりて、ここに調律を開始せし…』」

僕らは、また、カオス化した総区を一つ、あるべき姿に戻し、そして、霧の中へ、次なるカオス化した総区を目指して、旅に出た…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Girl meets friend ハチロク @Hatiroku8620

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ