第8話学校①~④

鬼が歴史の中で多く出てきたのはだいたい平安時代あたり。

京都が魔都なんて呼ばれかたもしていた。


「先生、おはようございます!」


「おはよ」


今じゃ普通に人間達に紛れて生活してる。


「お早うございます」


「お早うございます。赤井先生」


職員室に入り隣の席の千樹せんじゅ先生と朝の挨拶を交わしていると


「お早うございます。千樹先生、武道場の鍵返しに来ました」


そこにタイミング良くあすかが部室の鍵を返しにきた。


「はい、確かに受けとりました」


「おはよう酒井」


他意なく笑顔で挨拶。



ー学校②ー


「あ~、オハヨウゴサイマス、赤井先生」


「おはよう酒井(^_^)」


あすかの顔が少しひきつっている。


「朝の準備あるのでひちゅれいしましゅ」


ろれつも回っていない。


「今日の歴史の授業は3時間目だからな」


「はっ!はいー」


「赤井先生、角出てますよ」


おや?脅すつもりはなかったんだが。

ちなみに千樹先生の正体は観音さま。だから角も見えるのです。担当教科は現国。



ー学校③ー

たくみさんに朝からみっともない所見せちゃった。


「おはよー」


「はよー。おやおやあすか、朝からテンション低いですな~」


この子は親友のみつき、弓道部に所属していて、私と同じ朝練上がり、もちろん普通の人間です。


「んだね」


「テンション下がりすぎてなまってますよ」


なまりもするってもんですよ。


「そうだ!みつ、歴史の宿題見せてくだせぇ」


「またかい!これで何度目よ」


みつきはスポーツ女子の割に勉強もできる。性格も明るくてまさに文武両道。


「お願いします~お代官さま~❤」


「あんたそれ使い方違うんじゃない?」



ー学校④ー

さて宿題にもいいとこ目処がついているはずだろう。


「それじゃあ千樹先生、僕は次の授業にいってきます」


「はい、あまりあすかさんをいじめないでくださいね。練習試合、近いので」


千樹先生に言われると耳がいたいかぎりだ。


「わかってます。勉強の方もしっかりやってもらいたいだけです」


「貴方の想いと彼女の想いは全く違うものなんですがね、今度ゆっくり問答して差し上げますよ」


千樹先生はあすかの事になると禅問答の様なことを言ってくるからよく解らん。


「授業始めるぞ。席つけー」


教室に入ってあすかの様子を確認。俺が入ってきたことも気付いていないな。


「この前の宿題は授業終わりに提出だからな」


やっと気づいたあすかが物凄い顔でこっちを見ている。しかも盛大に角までだして。

鬼が鬼の形相で睨んでもなー。



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