イヤホン

――

 イヤホンが外れた

 瞬間、僕は孤独に襲われる


 聴いていたのは、僕の好きな歌

 宙に揺れるイヤホンから垂れ流されている

 

 いま僕は、自分の部屋から出た

 僕の認めたモノで溢れていた

 僕を認めるモノで溢れていた

 

 僕は今、独りであると思い知らされた

 この世界の広さを知ってしまった

 

  静寂の向こうに虫の声を見つける

  僕にとってはどうでもいい音


 僕は、再びイヤホンを耳に着ける

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