俺がほしかったのは妹だったはず

にらたま

第1話

『妹』

この響きを聞くと、『そ、その名前を出すなぁぁぁ!』と暴れる者もいれば

『欲しかったなぁぁあぁ....』 と、嘆く者もいるだろう

ライトノベルが好きなものにとっては、可愛い妹に

『お兄ちゃん、朝だよ! 早く起きないと遅刻しちゃうよ!』

みたいなことをされることが夢な奴も少なからずいるだろう

だが、妹を居る者に聞けば

『妹なんていい物じゃない、血つながっている分だけにめんどくさいし、うざい』

みたいな返事が返ってくることは必須だろう

『妹がいるだけで幸せ者なくせに、何言ってんだこいつ』

のような言葉は置いといて

―————皆さんお分かりいただけただろうか

そう、妹とは絶望と希望に満ち溢れた生物なのだ

義理の妹に夢を託すものもいれば、実妹に絶望を抱く者もいる

―———まぁ 俺は前者と後者が入り混じっているのだが


「兄貴、ちょっとコンビニ行ってきてくれない?」

「なぜに」

俺にそう命令してくるのは、二つ下で今年14歳になる妹の『凜華』だ

クッションの上に寝転がりながらゲームをしており

ナマケモノという言葉がこの上なく似合う

「いやー なんかさ。期間限定のスイーツがあるらしくて食べたいんだよ」

「自分で行け」

「えー、いいじゃん兄貴どうせ暇でしょ」

「引きこもりのお前がそれを言うか」

ちなみに俺がいるのは妹の部屋である

妹が引きこもってからは、

トイレと風呂以外はすべてこの部屋で過ごすようになったので、

すごい勢いで汚くなる

なので、週1の掃除が俺の日課になってしまった

―———義理の兄貴だからこんなに冷たくできるのだろうか

「ただでさえ、阿良々木くんと神原みたいなことになっているのに

 そんな兄貴をパシろうと思うのか」

「いいじゃん、兄貴も好きでしょ甘いの」

それは否定しない

「もう一度言うが、自分で行け」

「————兄貴それを今の私に言う?」

そう言って、凜華は神妙な面持ちになり、足でゲーム画面を指さしてくる

「—————ゲームがどうしたんだ」

「ゲームしてるから行きたくない」

史上最低の糞理論を出してきた

「—————と、言うかいつまでお前は引きこもってる気だ」

「中学校はいかないよ」

「自信満々でいうなよ」

「学校に行かないためならなんだってするよ」

「義務教育って知ってるか?」




さて、二度目となるがみなさんお分かりいただけたでしょうか

妹というのは義理だろうか、実妹だろうが



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