あらすじ
大陸を制覇した帝國は、獣人達が住まう極東まで鎮定、世界統一を果たした。
エルフォンソは皇子として、戦争終結に湧く宮中で一人の少女と出会う。それが人質の姫君、
伊那は宴の席で、天帝に斬りかかった。そればかりか、捕えられ処刑されんとしてなお抗い、二度までも刃向ったのだ。天帝はしかし彼女を後宮へと召抱え、寵姫としたのだった。
天帝は簒奪と征服をこそ美徳とする、生まれながらの覇王であった。エルフォンソはその覇気を実の姉にさえ感じ、平和な世を案じながら闘争に忌避の感情を抱き、平穏と安寧を思考する。
そんなある日。伊那は天帝に再び斬りかかった。エルフォンソはそのことで伊那へと抗議へ赴く。しかし伊那は、未だに天帝の首を諦めてないばかりか、此度の件も戦働きで返すと言い出した。
天帝が伊那に、純潔と引き換えに言い渡した勅命は一つ。謀叛人の首級をあげること。公爵に叛意ありと見て、天帝は伊那をたきつける。結果、エルフォンソは異文化異文明の伊那と一緒に、謀叛の誤解を解く旅へと出かけてゆく。
エルフォンソ達は公爵に温かく迎えられるが、反逆の疑いは増すばかり。動かぬ証拠を掴んだところで逃げ出すハメになる。その際、エルフォンソを助ける為に伊那は、追手の中へ消えていった。
命からがら宮殿へ戻ったエルフォンソは、天帝の前で真実を白日の下にさらす。公爵の反乱は真実で、更にはその黒幕はエルフォンソの姉だった。文武に優れ、天帝の右腕とまで称えられた姉は、母の死に、更には母に代わる人の喪失に恨みを懐いていた。
エルフォンソは姉に命を狙われるが、死地から舞い戻った伊那が助けてくれる。そうして争いの種を摘み取り、帝國はひとまず安定する。力こそ全てという理の中、エルフォンソは新たな理を求めて、戦う道を選ぶのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます