深夜3時の出来事

瀬戸 和樹

深夜3時の出来事

タンクトップに半ズボンという薄着スタイルにも関わらず、

僕は深夜3時に起きてしまった。


今日は8月16日、

一年の中で一番暑い時期だ。

僕は眠りが深い方なのだが、暑さには勝てなかったようだ。


大学から徒歩5分という好アクセスに加え、スーパーマルナカやコンビニも近いという利点から、この平林ハイツ3Fで3年間一人暮らしをしている。


とうとうこの時がきたか。。


僕は意を決して立ち上がり、窓際へとのそのそと歩く。

(もちろん、床に転がっている缶チューハイの空き缶をかわしながらだ)


手に取ったのはエアコンのリモコン。

大学を卒業するまではエアコンを使用せず、ありのままのアナログ生活を貫きたいという当初の自分ルールはここで破られてしまう。


後悔という2文字を飲み込んで、思い切ってリモコンのスイッチを押す。。


ピーンポーン、、ピーンポーン、、、


ん?エアコンをつける時はこんな音だったか?


ピーンポーン。

これはどう考えてもドアチャイムの音だ。

それにしてもこんな時間に誰が。


聞き間違いだろうと思いながら、

のぞき穴でチャイムを押したけしからんやつは誰だ、とのぞく。


いた。


あいつがいた。


ショウヘイだ。


飛び切りの笑顔とビール缶の山を持って嬉々としている。


恐らくバイト終わりで、明日の講義も昼の3コマ目だから

家に寄ったのだろう。

しかもアポなしで。

ショウヘイの場合、午前中講義があっても代筆を僕に

頼んで自分は夢の世界、というパターンもあり得るが。



やれやれ、今夜も暑い日になりそうだ。












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深夜3時の出来事 瀬戸 和樹 @kazubo

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