第6話 言葉の壁

リューンは仕事の疲れもでたのかマントに包んだ女を抱きしめたままベッドで横になった


なんてサラサラな髪なんだ・・・


此処では見たことがない黒い髪・・・


透き通る様な白い肌・・・


ピンクの唇・・・


リューンは女の唇を指でなぞる


女なんて面倒だと思っていたがこんなに目を引く女に出会ったのは初めてだ・・・


このドキドキ感はなんだ・・・


俺の物にしたい・・・


抱きしめながら眠りにつく


翌日リューンは女が目覚めるのを待ちながら眺めていた


なんだろう・・・


温かい・・・


「ハッ!」


姫羅が目覚めるとリューンは寝たフリをした


「!!」


なぜ男性と寝ているの!!


驚くがなんとか落ち着き周りの状況を確かめながら起き上がるとマントがはだけそうになった


「キャッ!」


なぜ私は裸なの!!


昨日バスルームに金の鳥が現れそのまま気を失ったまでは分かる・・・・・・・・


声を出してしまったがリューンが起きていないのを確かめマントで体を包みながら起き上がった


服を探さなくては・・・


姫羅が服のありそうなところを探す


綺麗だ・・・


思いつつもリューンは姫羅の様子を見ていた


服を探しているのか!?


俺の服を着ているがお尻が見えそうできわどいな・・・


リューンは起き上がり姫羅を後ろから片手で抱き寄せもう一段上の引き出しから綺麗な布を出し姫羅の腰に巻きつけた


「お前にやるよ」


リューンが言うが姫羅は怯えたように顔をしかめた


「何もしない、大丈夫だよ」


「・・・・」


えっ!!!!

なんて言ってるの?


外国語じゃない?


かなりの外国語を知ってるけど、どこの言葉にも当てはまらない・・・


どうしよう・・・


知られていない部族言葉?


「なんだ話せないのか?」


「私・・・姫羅・・・」


「えっ?姫XXX???」


やはり言葉が通じなかった


どうしよう・・・


リューンもさすがに言葉が通じないのには困った


「あ~どうしたらいいんだ?」


とりあえずリューンは姫羅の手を引き家中を案内した


「ここがトイレ、バスルーム」


姫羅は見て確かめ案内してもらうとリューンはランロの前で薪を入れる仕草をして教えた


「火を消すなと言うこと・・・?」


リューンはニコッと笑った姫羅が外を見ると一面氷の世界だった


「わぁ〜綺麗!!!!」


「???・・・」


するとリューンはカーテンを閉め言うのだった


「外には出るな凍え死ぬぞ!」


姫羅には態度から何を言っているんか分かった


「外に出たらダメなんだ・・・」


そうだよね・・・


氷の世界にこんな格好で出たら自殺行為よね・・・


するとリューンは上着を脱ぎだし着替え始めた


わあ〜!?


なんて逞しい身体・・・


あちこちに傷跡がある・・・


勇者て感じ・・・


不意にリューンと目が合い赤面する姫羅だったがリューンは食べ物を姫羅に与え仕事に出る支度をする


「お昼には戻るから大人しくしていてくれ、言っても通じないか・・・」


仕草で伝えると姫羅は頷く


言葉が通じないと不便だな・・・


教えてやるしかないのか?


警備をしながら考えるリューンだった

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