灰の少女とヨルムンガンド~片道勇者TRPGリプレイ
SmokingWOLF/ドラゴンブック編集部
1話 騎士と狩人
1日目 アラサーロリ騎士、発つ
【オープニング : 騎士ロリア】
ロリア:
茶色のセミショートにリボンを通して伸びる少量の1つ結び。見た目13~4歳ぐらいのまだまだ子供と言っていいほどの幼さを残す少女。城の中にいるにも関わらず現在はフードを深く被り、顔は見えても頭までは見えないようにしていた。
彼女が普通の少女と違う点は3つ。少女が着けるにはあまりに重厚過ぎる鎧を平然と身にまとっている事。フードで隠れている獣の耳と
彼女ことロリアは既に城で十年
迫ってくる闇の噂や凶暴化する魔物たちの暗い噂、それと重なるように見かけるようになった人の身なりに獣の特徴という半獣。不吉の象徴として街や国の人達に気味悪がられ、はじめこそ変わらず接していた同僚たちからも、不安なのか、最近はどこかよそよそしい。
そんなある日のことだった、彼女が勤める部隊の詰め所へと向かう道で同僚の会話を聞いてしまったのは――。
GM:
同僚A「隊長、
同僚B「ロリア隊長も化け物になっちまうんじゃ……」
みたいな感じでしょうか。
ロリア:
ですです、GMには同僚会話のロールをお願いします(ニッコリ)
GM:
かしこまりました。「闇の影響で半獣化」とは原作設定に忠実! 半獣人になっちゃって同僚との距離が開いてしまっている騎士ロリア! 辛い!
クスクル:
同僚C「まぁ、獣耳なんか生やしてあざといこと!」
同僚D「獣耳だけじゃなくてよ奥様、あの
同僚E「まぁ、あざとい!」
GM:
あざといの!? でもたぶん、平均的な人からするとちょっと気持ち悪いと思われるでしょうね。
同僚F「聞いた話じゃ、西の村にいたロリア隊長みたいな『半獣人』が、いきなり獣になって村人全員を喰い殺したなんて話だぜ……」
同僚達はロリア隊長がそばにいるとも知らずに話をしています。
ロリア:
「……」
GM:
同僚G「俺はロリア隊長と一緒に出撃したくねえなあ……」
同僚T「ロリア隊長を侮辱するとはなんたること! わたくめが許しませんぞ!」
ロリア:
「(私がこのままこの部隊にいても、隊の雰囲気が悪くなるだけ、か……)」
「(ヴィクター王は魔王を討伐する勇者を求めていたはず、騎士であるどころか普通の生活もままならないならせめて――)」
そうしてロリアはヴィクター王に謁見するため、大臣に取り次ごうと同僚たちに気付かれないままその場を後にします。
GM:
『闇』のせいで半獣人と化し、部隊にさえ行き場のなくなってしまった騎士ロリア。それでも誰かのために生きようとすべく、彼女は魔王討伐に志願するのでした……!
いいオープニングですね!
ロリア:
めっちゃ暗い! 自分でやっといてなんですがいいんですかこれ。
GM:
いやーこれは応援してあげたくなるタイプの展開ですよ! がんばれロリア!
クスクル:
さすがロリア、あざとい。
GM:
あざといの!?
クスクル:
不幸な半ケモ少女ですよ、しかもロリですよ、どうしてくれるんですか!
ロリア:
いやいや小ネタの一つも挟めないくらいシリアスですよなんか! アライグマさんなんとかしてください!
―――――――――――――――――――
ロリア 騎士 女
最大LIFE 13 最大ST 10
所持金 200シルバ 所持重量 2/4
能力値 筋力1/敏捷1/生命2/知力1/意志0/魅力1
特徴 【半獣人】 【敏捷+】
装備 【ロングブレイド】(攻撃力2D6)
【騎士のコート】(装甲2)
【レザーシールド】(装甲1)
―――――――――――――――――――
ロリアの外見 http://www.silversecond.net/sc/trpg_owh/PC_01_chara.jpg
GM:
では次、アライグマ、クスクルのケース!
* * * * * * * * *
【オープニング : 狩人クスクル】
クスクル:
クスクルは森の小さな村で生まれ育ったアライグマ獣人です。
闇が世界を脅かす以前は王侯貴族が趣味で行う狩猟の案内人を生業にしていましたが、その闇によって森に棲む野生動物たちが凶暴になり魔物化しました。アライグマ獣人の仕事仲間もそんな魔物に襲われて亡くなったりと大変です。これでは王侯貴族も趣味にうつつを抜かすなんてことはできません。そうです、このままでは商売が成り立ちません。許すまじ闇!!
さらには友人ロリアが半獣人になってしまい、他の人間から怖がられたり距離を置かれるようになりました。クスクルはそのことを気にしていません。いままで同様の付き合いをしています。むしろ獣人っぽくなって仲間意識が強くなったような気がしないでもありません。しかしロリアが森の動物たちのように魔物化するのは止めないといけません。本人も困っているようですし……。
というわけでロリアが魔王討伐の勇者になると聞いたクスクルはその愛らしい姿で
クスクル、カワイイ、これはもう可愛すぎる、どうすればいいんだ!!
ロリア:
がっつり!
クスクル:
さぁ、ツッコミなさい、クスクルはカワイイからノーガードだよ!
GM:
気合入ってる! クスクルは狩猟の案内人で、ロリアのお友達で、ロリアが半獣化してても気にしないよーという感じなんですね。では、これはシーン的にロリアの続きですね。
ロリアが魔王討伐の件で取り次いでもらって数日後、クスクルがロリアのところにさっそうと現れます!
GM:
とりあえず会った時刻をダイスで決めましょう。 1D6×4時で。
1D6 (コロコロ…) ダイス 1 = 1
午前4時。
ロリア:
ブー! 皆寝てる!
GM:
ではいつの間にかロリアの寝室にクスクルがいます。
クスクル:
じゃぁベッドで一緒に寝てます。
「そう、一度見たら忘れない可愛らしさ、ロリアの親友、クスクルだよー(ZZzzzz...)」
GM:
午前4時に目を醒ましたロリアはベッドの上にいるモコモコに気付きました。
ロリア:
自然な動作で近くに掛けてある剣を手に持ちます。
そして鞘から抜いてそのままベッドに攻撃!
クスクル:
刺そうとしても寝返りしまくりです。うまい具合に避けます。
「ロリアの考えていることはお見通しさー、むにゃー(Zzzzz...)」
ロリア:
「このエロダヌキ! なななななななんで、なんでベッドに!!」
クスクル:
「タヌキじゃないにゃー、むにゃー」
GM:
騎士「この物音……ロリア隊長、まさか……!?」
バァン! こんな夜中なのに兵士がやってきます!
もしかしてロリアが獣になってしまったのではないかと疑ってやってきた騎士でしたが、その部屋には真っ二つになったベッドとクスクルがころころ転がっているだけでした。
クスクル:
真っ二つのクスクルじゃなくて良かったねー、うんうん。
ロリア:
やってきた騎士に「あのタヌキを捕まえてください! いますぐ!」
GM:
「あれはロリア隊長のご友人であります! 存じておりますぞ!」
ロリア:
「違います! 一方的にセクハラを受けてるだけです! ……本人はそこまで悪気がないのは知っています、余計にたちが悪いですけど!」
GM:
「とりあえず彼は男部屋に連れていきます! 明日お連れいたしますぞ!」 バタン!
クスクル:
「じゃぁ、捕まってるからねー、ばいばーい」
ベット、毛だらけだろうなー、大変だなー(他人事)
ロリア:
そもそもベッド真っ二つです、ええ。
「――このベッド、どうしよう……」
GM:
とはいえ、ロリアにとってはもう不要なベッドです。魔王討伐への旅は、あとほんの数時間で始まろうとしているのですから……。
クスクル:
「よし、兵士諸君、闇に飲まれて死ぬくらいなら酒を飲もうぜ! ひゃっはー!」
GM:
午前4時ですよ!? クスクルはそのままぐるぐる巻きにされて男部屋の端っこに押し込まれました!
クスクル:
やったー、ツッコミ、クスクルツッコミだぁい好きー。
―――――――――――――――――――
クスクル 狩人 男 身長80cmくらい
最大LIFE 9 最大ST 13
所持金 500シルバ 所持重量 1/1
能力値 筋力2/敏捷4/生命1/知力2/意志2/魅力1
特徴 【獣人】 【魅力+】
装備 【狩人の弓】(攻撃力1D6)
【旅人の服】(装甲1)
【木製の矢】(攻撃力0)
―――――――――――――――――――
クスクルの外見 http://www.silversecond.net/sc/trpg_owh/PC_02_chara.jpg
ロリア:
「あの人なりに元気づけようとしてくれたのかな。それでも、はあ……」
(なんか想定していた展開と違うぞ!)
GM:
(さっきの重いオープニングからいきなり軽くなってしまった!)
さてロリア、いよいよ魔王討伐に出発する日です。クスクルは優秀な狩人だったはずなので連れていってもいいような気がしてきました!
ロリア:
この展開で!?
ロリア:
完全に賑やかし要員だこれ。
クスクル:
ぐるぐる巻きのまま突撃だー、転がった方が速そうだぞー、ゴロゴロゴロー。
* * * * * * * * *
● 王様からのお言葉
GM:
さて、この『ファーストワールド』の世界では西の方から闇がせまりつつあります!
ロリア:
(きっと町の名前がファースト村とかセカンドなんだこの世界……)
GM:
ヴィクター王「よくぞ参った! 騎士ロリアと狩人クスクルよ!」
王様から説明があります。東への旅を続け、その途中で出会うであろう「魔王」を倒せば闇はその進行を止め、世界は救われるだろう、だそうです。
クスクル:
「なるほど……」(ぐるぐる巻きのまま)
ロリア:
「……えっと、クスクルさんも魔王討伐に?」
クスクル:
「ボクがロリアを1人危険な目に合わせると思う?」(ぐるぐる巻きのまま)
GM:
(やだ、セリフだけかっこいい……)
ロリア:
「一緒に居る方がある意味色々と危険なような……まあでも、1人で行くより知った人が居たほうが心強いですね、一緒に行きましょう、クスクルさん」
クスクル:
「だよねー、クスクル強い、カワイイ、任せといて!」
ロリア:
「私も騎士の端くれ、タヌキの一匹や二匹程度守ってみせます」
クスクル:
「そうだぞ、タヌキ、足手まといになるなよー」
ロリア:
「……」
クスクル:
「……で、タヌキはどこだろう?」
GM:
ヴィクター「うむ、美しい友情である! さて、忘れぬうちにこれを授けよう」
ヴィクター王はお二人に、人工妖精イーリスを『それぞれ1人ずつ』渡します!
イーリス「「やっほー! 私は人工妖精のイーリス! よろしくね!」」(ハモりつつ)
えー、ちなみに妖精イーリスはTRPG版ではこんな格好です!
イラスト http://www.silversecond.net/sc/trpg_owh/NPC_main_Iris.jpg
ロリア:
「か、かわいい……」
GM:
イーリス「え、私のこと!? だ、だよねー照れちゃうなー!」
クスクル:
「ぐぬぬ、カワイイライバルの登場……」
GM:
ヴィクター王「妖精イーリスたちは意識を共有しておる。離れた場所にいても汝らの情報交換を可能とするだろう」
ヴィクター王「そなたらのために物資も用意しておいた、存分に使うがよい! 辛い旅になると思うが、魔王の討伐を頼んだぞ。わしもここを離れる。またどこかで会うこともあろう……では、ゆくのだ! 健闘を祈る!」
そう言うとヴィクター王の周囲に理力がうずまき、彼は消えてしまいました。
周りの兵は「え? マジ? 王様だけ行っちゃうの?」という感じで目を丸くしています。
こうして、謁見の間は静かになりました。闇はそろそろ城を呑み込みつつあります!
クスクル:
「これからはここにいるロリアが王となる。以後忠義を尽くせよ」
GM:
イーリス1「(クスクルに)パコーン!」
* * * * * * * * *
● 勇者への贈り物
GM:
イーリス2「さあ、勇者同士であいさつする? それとも贈り物を開ける? それとも、わ・た・し?」
2人の目の前には箱が用意されています! ルールにはありませんが、やさしいGMはプレゼントするものらしいので今回は特別に【勇者への贈り物】をプレゼントです!
―――――――――――――――――――
◆箱の開け方
箱の開け方は、原作通り、「戦闘で開ける」か「開錠で開ける」かの2通りがあります。
・「戦闘」で開ける場合は失敗すると疲労で【ST】が大幅に減ってしまうが、成功すればノーコストで開けられる。戦闘の解説は後述。
・「開錠」は「【敏捷】+2D6」で判定して開けるので、人によっては戦闘より開けやすくなるが、必ず判定者の【ST】1を消費する。失敗したときのペナルティはなし。
―――――――――――――――――――
GM:
さあ、【勇者への贈り物】のパラメータは以下の通り、どうしますか!?
―――――――――――――――――――
宝箱【勇者への贈り物】
【LIFE】1 【防御値】8 【開錠難度】7
【ドロップ】ドロップアイテム表×2
―――――――――――――――――――
クスクル:
「開錠」するよー。
ロリア:
こっちはどうしようかな。
GM:
えっ!? (2人で1個のつもりだった)
ロリア:
あ、1個なのか! (ケチ……)
GM:
しょうがないですねー、じゃあロリアさんの分もあげましょう! その代わり、今回はそれぞれが「協力」なしで個別に開けるという形で処理します。
クスクル:
はーい、じゃあ【好意】を足さないで「開錠」判定。【敏捷】は4!
2D6+4>=7 開錠判定!
(コロコロ…) ダイス (6+1) + 4 = 11 +4成功!
GM:
クスクルの「開錠」は余裕で成功です! おめでとう!
クスクル:
贈り物なのに「開錠」判定が必要ってどういうことなんだろう。
ロリア:
言われてみるとひどい。開かなかったらどうするの……。
じゃあこっちの分は「戦闘」でぶん殴って開けましょうか。
GM:
木の箱は【防御値】が8なので、攻撃判定の目標値は8です! 攻撃判定として【筋力】に2D6を足して振ってください。一般的な武器は【筋力】で攻撃します。
ロリア:
2D6+1>=8 まずは狙いを定める攻撃判定!
(コロコロ…) ダイス (3+5) + 1 = 9 +1成功!
GM:
セーフ!! 攻撃判定に成功したら、次はダメージ算出です!
ダメージは【武器攻撃力+本人のレベル+一緒にいるPCの好意合計】で出しますが、今回は「協力」なし扱いとするので【好意】分はなしです。【ロングブレイド】の攻撃は2D6、【レベル】は1!
ロリア:
2D6+1 おおきく振りかぶって箱に【ロングブレイド】で攻撃!
(コロコロ…) ダイス (3+3) + 1 = 7 ダメージ!
GM:
バゴォ! ロリアの強烈な一撃により、【LIFE】1しかない【勇者への贈り物】の箱は真っ二つになりました!
兵士がこっそり2人にパチパチ拍手してますよ。
クスクル:
「やーやー、どうも、どうもー」
ロリア:
「なぜ私達はただ箱を開けるのにこんなことを……」
―――――――――――――――――――
ドロップアイテム表を振った結果、以下のアイテムが手に入りました。
武器 【シルバーランス】
巻物 【火炎付与の巻物】
巻物 【鎧の巻物】
武器 【祈りの杖】
―――――――――――――――――――
GM:
【シルバーランス】とかいきなりすごいの出たー!?
ロリア:
【祈りの杖】は……お、結構高い(価値2000シルバ)。
クスクル:
ボク、持てる量がすっごく少ないのよ。
GM:
クスクルの所持重量、【 1 】 !?
ゴゴゴゴ……!
ロリア:
そもそもなんで所持重量1なんです?
GM:
【狩人】がもともと所持重量2で、そこに【獣人】特徴で-1されて【所持重量】1になりました。
ロリア:
ああ、【獣人】にそんなデメリットが!
クスクル:
うん、なんでこんなに荷物持てないんだろうね。手が小さいから?
GM:
ルールブックによると、【獣人】はどうも獣っぽくて自制心がないので荷物持てないっぽいですね。
クスクル:
ああ、忍耐力が無くて本能に負けて洗っちゃうんだな、きっと。
GM:
(洗っちゃうの……)
クスクル:
ロリアってどれくらい持てる?
ロリア:
2!
GM:
2の余裕があるって意味です!(ロリアの所持重量2/4)
クスクル:
ああ、よかった。
ロリア:
良くない! 誰も重量3の【シルバーランス】持てない!
クスクル:
騎士なのにランス持てないとはこれいかに!!
今の持ち物置いていこう、んでランス持って行けばいいんじゃない?
GM:
いきなり過酷な意思決定が要求される片道勇者TRPG。まだ1歩も歩いてないぞ!
ロリア:
じゃあ騎士の初期装備である【ロングブレイド】だけ捨てましょうか。
クスクル:
「うおー、ロングブレイドこっちに投げ捨てないでー、いやーん」
ロリア:
クスクルの
「なるほど、王様はここまで考えて……」
GM:
兵士たち「……!?!?!?!?」
GM:
イーリス「【鎧の巻物】も今すぐ使ってもいいかもしれないね。【騎士のコート】はベースとしても十分強いし」
クスクル:
どんどん使っちゃっていいよー。
ロリア:
なんか序盤からこっちにブースト掛かりすぎでは!?
GM:
(クスクルのクエストがそう望んでいるからなー)では【鎧の巻物】の付与ランダム! 2D6振ってください。
ロリア:
2D6 防具付与 (コロコロ…) ダイス (5+2) = 7
GM:
付与の7は……【鋭い】!
じゃない、これは武器付与表だった!
クスクル:
【鋭い騎士のコート】!?
ロリア:
きっと肩とか尖ってるんだ……。
GM:
違う違う! えーと防具付与の7は【堅固な】! では【騎士のコート】に【堅固な】が付きます!
―――――――――――――――――――
防具付与【堅固な】
「装甲」+1 装備している間【生命】+1
―――――――――――――――――――
ロリア:
もう回復あれば魔王殴れそう。
クスクル:
【火炎付与の巻物】使っちゃおうよ~。【祈りの杖】もロリアが持って。
ロリア:
贈り物ぜんぶこっちにきちゃった!
* * * * * * * * *
● 移動先の選択
GM:
それでは長かった準備が終わり、ようやく城から一歩を踏み出します!
まずお城にいた「道に詳しい老婆」から道を教えてもらい、1日目のイベントが判明します!
2日目以降は「偵察」しない限りイベント不明なまま突っ込むことになります。注意してくださいねー。
クスクル:
どれどれー、この先はーっと。
―――――――――――――――――――
【1日目】 地形:草原
北:ランダムイベント
中央:野外遭遇(モンスター)
南:石の小屋
―――――――――――――――――――
GM:
イーリス「さあ、どこに行こうか! 早く決めないと闇が来ちゃうよ!」
クスクル:
「ここはランダムイベントに決まってるよー、北にいっくよー、あははははっ」
GM:
イーリス「もうークスクルって道化なんだからー」
ロリア:
「石の小屋」ってなんだ……っと、ルールブック見たら「村」扱いなんですね。とはいえ、「石の小屋」に行くにはシルバが心許ないなー。
GM:
イーリス「杖! 杖!」
ロリア:
はっ、もう杖を売る機会が。
「きっと村にはこの杖を必要としてくれる人が――」
クスクル:
「杖を転がして進路を決めるんだねー、やっぱ北だよー、あははははっ」
まてよ、ロリアを強くする方がいいのかな、ボクが杖を持ってお店に行った方がいいかな? ロリアは戦って経験を積むんだー的な!?
ロリア:
この世界は群れで敵が来るケース多いからソロじゃきつい!
クスクル:
しかたない、じゃぁ、一緒に行動しよう。
「もう、ロリアったら、ボクがいないと何もできないんだねー」
ロリア:
中央の「野外遭遇」って戦闘でしたっけ。
GM:
イエス! この草原だと、どこにでも出る盗賊の群れなどに加えて、【コウモリ】や【野犬】【オオカミ】などが出ますね。
ロリア:
どれどれ……うん、むり。
クスクル:
ダメだこの隊長、モンスターに勝てない。
ロリア:
盾にはなります(攻撃できるとは言ってない)
ロリア:
ランダムか石の小屋どっちかにしましょう、ええ。
クスクル:
逃げるつもりはないよー、あははははっ。
ロリアの
ロリア:
「ひゃうっ!? ちょっと触らないでくださいよ!」
クスクル:
「このあざとさである」
ロリア:
そっちがあざとくさせてきてるのに……。
クスクル:
悩んでも仕方ないから、ほら、小屋いくよ、小屋。
* * * * * * * * *
● 1日目南エリア 昼
GM:
では1日目へ移動! 行った先には「石の小屋」がありました。村遭遇表を振って発生したイベントを決めます!
2D6 石の小屋 村遭遇表! (コロコロ…) ダイス (3+5) = 8
―――――――――――――――――――
<防具屋>
【防具屋】と遭遇した。ボウグゥー! ボウグゥー!
判定:【敏捷】 ジャッジ:「イェッハァー!」と返す。
―――――――――――――――――――
ロリア:
ボウグゥー。って回復アイテム売ってなーい!
GM:
2人が入った石の小屋には防具屋がいました!
「ボウグゥーボウグゥー!!」
クスクル:
「イェッハァー!」(ハイタッチ)
ロリア:
「ええっと、い、いぇっはぁー?」(ハイタッチ)
GM:
はい、ハイタッチの分だけジャッジOKです! って初回のジャッジがこれでいいのか!? 説明になってないぞ!
―――――――――――――――――――
◆「ジャッジ」って何?
PCが「ジャッジ」欄に書かれているロールプレイをして、GMが「ジャッジOK!」を出せば判定に+1の修正を付けることができるシステムです。もちろん、思いつかなかったらそのまま判定すればいいだけなので、TRPGに不慣れな初心者の人も安心!
なお、このキャンペーンではプレイヤーさんの入力負荷を下げたり間違いを減らす目的で、GM側が「目標値を1下げる」ことにして処理しています。
―――――――――――――――――――
GM:
では【敏捷】が高いクスクルさんが判定してください。「協力」も発生します。判定は【敏捷】で、目標値は基本の7+1(日目)=8からジャッジ成功分の1を引いて、7です!
クスクル:
2D6+4+1>=7 【敏捷】判定!
(コロコロ…) ダイス (5+5) + 5 = 15 +8成功!
「イェッハァー!」
GM:
成功したのでお二人は以下の処理を行ってください。
―――――――――――――――――――
成功:トゥルトゥルー! 【経験値】1獲得。防具ドロップ表を使用する。「防具」と「追加装備:盾」の購入とアイテムの売却ができる。
―――――――――――――――――――
GM:
「防具ドロップ表」はこっちで振っておきます。お二人とも【経験値】+1しておいてくださーい。
クスクル:
はいはーい、。
GM:
2D6 では振りまーす、防具ドロップ(D66)
(コロコロ…) ダイス (1+6) → 16
16 【騎 士 の コ ー ト】
イーリス「いやーコートがどんどん増えるね!」
クスクル:
あ、その【騎士のコート】をボクが着るのはダメかな。
GM:
ほんとだ、重量0じゃないか! なら問題ないですね。
クスクル:
アライグマ、カワイイ、そして見た目も騎士。クラスは【狩人】だけどな!
ロリア:
こっちは過剰装甲なので【堅固な騎士のコート】をクスクルに渡してもいいんですよね。
クスクル:
じゃぁ【堅固な】ほうをもらっておこうかなー。
「ロリア、【堅固な騎士のコート】もらっていい?」
ロリア:
「ああ、確かにクスクルさんの防御が不安ですね……でしたらなぜか奇声をあげながら店員さんがくれた新しい【騎士のコート】を私がもらいましょう」
旅人の服は売りましょうか、50シルバ?
回復アイテム買えないし【祈りの杖】はこのままでいいかなー。
GM:
イーリス「だねー。どうせ魔王が出たらお金が溶けるかアイテム溶けるかは博打だしねー」
魔王に詳しすぎるイーリス。
ロリア:
メメタァ。
GM:
では時間です! 闇が迫ってきたので締め切りでーす。
クスクル:
「防御力アップしたから満足ー」
ロリア:
ロリア達が立ち去ったあと、ほどなくして防具屋は闇に飲まれました。
GM:
防具屋「ボウグゥーーーーッ!!」
* * * * * * * * *
● 1日目南エリア 昼過ぎ
GM:
では昼行動が終わって、1日目の夜……の前に!
クスクル:
じゃじゃーん、クエストを公開しちゃうぞー。
―――――――――――――――――――
◆【クエスト】って?
セッションのたびに各PCがこっそり選ぶ秘密の目的。今回はGMがPC(プレイヤーキャラクター)に渡しています。
公開するための条件がそろうまでは他PCにクエスト内容を見せることができません。見せると、不思議な力で失敗になります。
―――――――――――――――――――
GM:
ここでクスクルのクエスト公開! クスクルの後ろから1人の騎士が近付いてきます!
ロリア:
おっ。
―――――――――――――――――――
クエスト 『エッチな盟友』
・公開条件: 1日目の昼行動後に即座に公開(夜行動を上書き) 【経験値】5
・イベント:
夕暮れどき、君は城から追ってきたエッチな騎士、タクーシと合流した。彼も君と同じく、ロリアを守りたいと願う身だ。彼と同行し、一緒にロリアを守り抜こう。アイテム【エッチな騎士タクーシ】を獲得する。彼とは交流可能である。話をし、【敏捷】で目標値8の判定に成功すれば【エッチな騎士タクーシ】からの【好意】が1上がる。彼からエッチな情熱について学ぶチャンスだ!
ジャッジ:タクーシと話をする。
・クリア条件: 【エッチな騎士タクーシ】からの【好意】を1以上にする。
ロリアが生存した状態で魔王撃破エンドをむかえる。
・報酬: 【伝説P】40 + 特徴【エッチな】をアンロック
―――――――――――――――――――
GM:
ということで夕暮れどきに、ロリアの部下だった【エッチな騎士タクーシ】がクスクルに追いつきました!
タクーシ「おお、あなたはクスクル
クスクル:
「初乗り運賃はおいくらでしょう」
GM:
タクーシ「初乗り6シルバですぞーって私は運び屋ではありませんぞ! ロリア隊長に乗られるのならわたくしめ大歓迎ですがハァハァ!!」
ロリア:
とりあえず鎧の上からでも響く腹パン。
GM:
タクーシ「ブホォ!」
クスクル:
「ああ、貴重な仲間が飛んで行ったー、あああ、闇に飲まれたー、あああ、なんということだー」
GM:
タクーシ「フフ、わたくしめにとってはロリア隊長の腹パンもごほうびですぞ!!」
ロリア:
「ああ、どうして自分の周りにはこんなのばかり……」
GM:
タクーシ「実はわたくしめ、騎士団の洗濯当番になった日にはロリア隊長の脱ぎたての靴下からただようフレグランスを必ずクンカクンカさせていただいております!!!」
タクーシ「背徳的で卒倒しそうであります!」
ロリア:
「はあ……
GM:
ジャッジはすでにOKです! クスクルさんは【敏捷】で目標値7を判定してください!
クスクル:
なにが、どう、オッケーだったのか分からないけど、とりあえず、良かった!
これ、ロリアがいるから「協力」でもいいんじゃね?
GM:
クエストの「協力」いけますね! ではクスクルは、ロリアの【敏捷】を1まで足して判定することができます!
クスクル:
2D6+5+1>=7 【敏捷】判定!
(コロコロ…) ダイス (1+6) + 6 = 13 +6成功!
GM:
過剰な成功!
タクーシ「んんんん! クスクル
クスクル:
「まぁね、任せておいてよ」(ロリアの
ロリア:
慣れてきたので触られる前にはじく。
GM:
タクーシ「しかしエッチ道は果てしなく遠く、
ロリア:
「あ"あ"あ"あ"ーー他の隊員来てー!!」
GM:
ということでクスクルはアイテム【エッチな騎士タクーシ】を入手してください。
―――――――――――――――――――
アイテム【エッチな騎士タクーシ】 重さ0 売却不能
装備破壊を無効化できる。「交流」可能、能力値は全て1。戦闘において、特定条件下で自動的にある効果を発揮する。その場合、このアイテムは失われる。受け渡しはできない。次元倉庫には入れられない。
―――――――――――――――――――
GM:
タクーシ氏はこんなんでーす。顔見えないマン。
イラスト http://www.silversecond.net/sc/trpg_owh/NPC_main_Taxi.jpg
ロリア:
モブい。
GM:
タクーシ「しまった武器を忘れましたぞ!」
ロリア:
「騎士が武器を忘れるとは何事ですか!」
GM:
「こうなったらクスクル
ということで彼は【狩人】大喜びの装備守りマンです!
ロリア:
つまりお守り。
GM:
そしていまの判定に成功したのでタクーシの【好意】が1になりました! クスクルは【好意】の欄に「タクーシ 1」と書いておいてくださーい。
クスクル:
タクーシと仲良くなったー(書き書き)
エッチな経験を積んで強くなったよー。これで【レベル】4!
「次の目標はロリアの下着を洗う事だね、タクーシ♪」
GM:
タクーシ「今回のクエストはロリア隊長を守りつつ魔王を倒すことであります! お忘れなく!」
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