僕はここにいる

OME

第1話 地方の夏祭り

(俺の名前は佐藤 遥火(さとう はるか)、大学二年だ。

 夏休みも、もうすぐ終わって退屈な大学のキャンパスライフを送らなければならない。彼女はいたが、足にされたり財布にされるだけだった。

 女にろくな思い出はない。女は苦手になった。誰かに夢中になる

 気持ちがわからない。俺には夢中になるものも何もないし、させるものもない。つまり、つまらない人間になっちまった事だ。)

 俺はやることもないからリビングでテレビを点けニュースを見た

 アナウンサー「明日は台風57号が直撃になるもようです、」

 遥火「そういえば夏休み毎日のように台風が来てたな、夏休みなのに最悪だよなぁ~。まぁ俺には関係ないけど」

 2020年以降、気候の変化により日本は台風の国とも呼ばれるようになった。現在では東京で最高気温40度にもなることもある。

 ブッブー(携帯の着信音)  「お?アホなサトシからだ」

 サトシ「おい!はる!明日夏祭りに行こうぜ!」

 なにを言っているんだこいつは、

 遥火「いや、明日台風だぞ?」

 サトシ「いいや、晴れる!なんてったって俺は晴れ男なんだからな!!しかも前から約束してただろ?人数集めたんだから行こうぜ?」

(そういえばそんな約束したな、無理やりだったが・・・)

 遥火「ふん、勢いだけの馬鹿が、、地方に行くんだっけ?あの有名な夏祭りヨサコイワッショイ祭だっけか?まあ明日晴れれば行くよ、晴れればな!」そんな万に一つもない賭けだ、明日は中止に終わる・・・

 次の日

 アナウンサー「これは驚きました!台風は直撃しましたが、台風の目ができております!しかも台風はその場から留まっており、一部の地域だけが晴れております!」そう、ヨサコイワッショイ祭が開催されている地域だった・・

 遥火「まじか・・・」

 俺は渋々みんなが集まるバスターミナルに向かった。

 サトシ「はる!おせーよ!1分21秒の遅刻だぞ!」

(こまけぇよ・・)

 俺はバスに乗り込んだ

 香里「はる君おひさぁ~」この子は清水 香里(しみずかおり)おしとやかでいつも眠そうにしてる子だ、ルックスは学年で三本の指に入る、ちなみにサトシのお気に入り

 愛実「はるっちもこんなアホと一緒にいると疲れるでしょ?付き合う友達は選んだほうがいいよぉ?」この子は桜 愛実(さくらあいみ)通称あいみん、かわいいんだけど、性格がキツ目、サトシと一番仲がいい女子で清水さんと二コイチ的な存在だ。

 遥火「あいみんもそんなアホと仲良くしてんだから、同類だな、」

 愛実「べ、別に、愛は香里をこのアホから守るために付いてきたんだよ‼」(よくある照れ隠しかなんかだな)

 サトシ「さっきから俺のこと話してるけど、照れるぞ、コノヤロー!」

 こいつはポジティブなのだ、まぁ実際サトシはモテる。イケメンだから。

 バスは出発し、車内は若者だらけ、みんなわちゃわちゃしゃべっていた、俺を除いて・・

 このメンバーも大体サトシが中心で女の子もサトシとイチャイチャ話し合ってばっかだからな・・・楽しいわけがない。

 愛実「はるっちさ、いい子見つかんないの?」

(急に話して来るなよ・・)

 遥火「いないねー、俺みたいな男はできない運命になってるんだよー」

 愛実「ふーん、そうかぁ・・・っでさぁ、サトシは~」

 この通りのけものにされている。これがこのメンバーの通常である。

(あー、つまんね、)

 なんやかんやでバスは強風に煽られながらもなんとかワッショイ祭会場まで到着する。

 バスを降りてみた光景は神が降り立つ前触れみたいなぽっかり雲が空いた空、そしてその下にはゴミのように群がる人々・・・ッ!!

 遥火「あ、あそこに行くのか・・・」

 サトシ「ああッ!天から授かったこのイベントに世界中からみんなが集まったんだ!俺らも行くぞ!」

 まるで満員電車に入るような想いをした。

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