EACH TIME IN ANOTHER COUNTRY2

@tabizo

序章 プロローグ

2013年、サウスライナ共和国アルーシ。突然降り出した熱帯特有のスコールの中、現地人のガイドと共に私たち遺跡調査隊は、薄暗い密林の中を歩いていた。うっそうと茂った植物をかき分けながら奥へ奥へと進む。時々、不気味な鳥の鳴き声が静かな密林の中に響き渡る。

「教授、このあたりで少し休憩しましょう。」

私は調査隊のリーダーである年配の男性に声をかけた。

私の名前は、南条祐作。元は中堅商社で働いていたが、奇妙な縁で私が教授と呼ぶ老考古学者の仕事を手伝うことになってここにいる。

出発からもうかなりの距離を歩いているのでみんなにも疲れがみえ始めていた。

教授は地図を広げ、現地人のガイドと何やら話していた。

雨もいつの間にかやみ、薄暗い密林の木々の間から太陽が顔をのぞかせた。

私たちは再び歩き出した。しばらくして前を歩いていたガイドが何やら叫んだ。

そしてある方向を指さし、手招きした。駆け寄って彼の指さす方向に視線を向ける。

「教授、ついに見つけましたね!あれはまさしくそうです―」

一面に広がる密林から調査隊全員の歓喜の声があがった。


私が教授と出会ったのはちょうど6年前、休暇を取って出かけた旅行がきっかけだった・・・。


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