OverBlood-Archives

橘月くいな

 

君の問に答えなどあるはずもない

一日一善 - 幸福の確率 -

 なんで『人に優しくしなさい』っていうのか?

 なんで『一日一善』っていうのか?

 なんで『情けは人のためならず』っていうのか?


 私はよくわからない。

 だって、私は家族以外の他人がどうなろうと『興味無い』もの。

 近所で誰かが亡くなるのも、どこかの国の誰かが亡くなるのも、距離が違うだけの『他人』だから。


 だけど、考えた。

 自分が困っている時、何故手を差し伸べてくれるのか?

 助けてくれることも助けてくれないこともあるのはどうしてか?


 だから、大前提。

 誰かに助けてもらうには、『助けてくれる誰か』がいなくてはいけない。

『助けてくれる誰か』が一人もいなければ、『助けてくれる確率』は0%以外にはならない。後は『助かる確率』がいくら残っているか。


 そして問題は『誰か』とは誰のことか?

 結論から言えば『誰か』とは自分以外のその他大勢、つまり他人。そして、その他大勢って言うのは自分自身のことだよね。

 そうでしょう?だって自分が知らない誰かが他人なら、その他人にとっても自分は他人になる。


 だから、『誰か』=自分

 じゃあ、『助けてくれる誰か』って誰?

 それは、『自分誰か』を助けてくれた『誰か自分


 そうなれば、あとは簡単。

自分誰か』を助けたいなら『誰か自分』助ければいい。

 そうすれば、『助けてくれる誰か』が増えて、『助けてくれる確率』が少し上がる。



 ん?あなたを誰も助けてくれない?

『助けてくれる確率』って全部ひっくるめたら、『助けてくれる誰か』の数と比例するはずだよね?

 でもね、そうならないの。

 だって、『助けてくれる確率』は全体の平均であって、その確率は狭い範囲では均一じゃないんだ。

 授業でやったことはないかな?

 みんなでサイコロ持ってきて振るの。

 六分の一にならないよね。ほんの少し偏るよね。でも、クラス全員集めたら六分の一に近くなる。でも、個人個人ではびっくりするほど偏ることもある。

 世の中は『平等』じゃないんだよ?

 世の中は『平均』で図るの。全体の平均で。


 だから全体の確率を上げなきゃいけない。偽善だとしても少しでも多くの行動を起こすことが、自分を『助けてくれる確率』を増やすために必要なこと。

 いつか『助けてくれる確率』という表現をやめて『助けてくれない確率』といえるように。



 さて、君はどうするんだろうね?

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